沈黙が流れる中、それを打ち破ったのは、やはり秋元だった。
「説明は以上だ。これ以上の質問は一切受け付けない。では、これより名前を呼ばれた順に荷物を受け取れ」
「秋元才加」
戸賀崎が一人一人名前を読み上げる。
「秋元才加!いないのか?」
才加は恐る恐る前に出る。
戸賀崎が投げ付けるようにリュックを渡し、続けて「板野友美」と名前を読み上げた。
荷物を受け取った才加は、足早に外へ向い、出口付近の物陰に身を潜めた。
「峯岸みなみ」
「は、はい」
峯岸は縺れる足を必死に支えながら、荷物を引きずるように出て行った。
「宮澤佐江」
「はい」
リュックを受け取る。
佇む佐江に、戸賀崎が眉を顰めた。
「ノンティの分は?」
佐江の質問に一瞬理解できない顔をした戸賀崎だったが、佐江がリュックを持ち上げて見せると、すぐに理解し、余った一つのリュックを佐江に投げ付けた。


才加は、物陰から息を潜めて、出て来るメンバーたちをジッと見つめていた。
二つのリュックを軽々と抱えて、出口からふてぶてしい態度で出て来た佐江を確認すると、才加は小さな声で声を掛けた。
「佐江!」
物陰から手招きする。
「才加?なにしてんの?」
不思議そうな顔で佐江が近付いてくる。
「ねえ、どうするの?」
「どうするってなにが?」
「だって、殺し合いなんてバカバカしい真似…」
「あのね才加。ノンティ見た?」
佐江は溜め息をつくように、呆れるように話だした。
「死んじゃったんだよ?
もう、私達逃げられないよ」
「だからって」
「ねえねえ、才加のリュックには何が入ってた?
私のはぁ…なぁんだナイフか。
こっちは…おお、格好いい!これなんて名前の鉄砲かな?」
佐江がいつもの無邪気な笑顔で、嬉しそうに右手の銃を見せた。
「佐江…」
「才加も中見てみなよ。
とりあえず、食料とかも確認しとかないとさ」
「う、うん」
前屈みになり、才加がリュックのファスナーを開けた。
中には、大きなマシンガンのような物が見えた。
その奥には、水の入ったペットボトルと食料と思われしき物の数々。
佐江に見せようと、身体を起こしかけたとき、脇腹に電流が走ったような感覚が伝わった。
それは次第に熱くなり、痛みへと変わって行った。手で触ると、赤い液体がべっとりと付いた。
「さ、佐江…?」