歌声と静寂の昼
毎日DIVAに焦がれているんだ


誰もいない駐車場
身を潜め
空を見上げながら
小さな声で唄う
祈りを捧げるように
全てはニーナの為に


"いつの日か笑い合った日々に戻りたいな"


どんな感じなんだろう

"笑い合う日々"って


わからないや

笑ってくれる人がいないから


"痛みもいつか消えてしまえばいい"


"痛み"ってなんだろう

身体の痛みじゃないことはわかる

じゃあ 何の痛みだろう

DIVAは何が痛いのかな

そんな風に思うことがある


ニーナは今日も笑わない

今日のご飯はどうしようか




ニーナは僕の妹だ

唯一の家族なんだ


両親はいない

僕が4つぐらいの時

ニーナはまだ2つだった

ニーナと一緒に捨てられた


ママ?パパ?って探しながら泣いた

そのことはよく覚えている

僕らは知らない街を

ある気彷徨い

道端で出逢った、知らないおじさんに助けられた

そのおじいさんも3年前に亡くなった


その後僕らは住む家を失った

今は街の隅にある ゴミ山のような

駐車場にある廃車


ニーナは僕らが捨てられてから

笑わなくなった

ただ無表情で

ずっと何かを見ているような感じ


僕はヘッドフォンをして日々を生きている

そこから流れる歌声だけが希望だった

昔 おじさんに教わった

英語で歌のうまい人は「DIVA」っていうんだって

だから 僕はその歌声の人をそう呼んでいる


本当の名前はなんだろう

知りたいようで どうでもいい


ただ僕にはニーナがいれば

それでいい


そんな風に思うんだ




幾つもの人と出会うだろう
幾つもの感情と出会うだろう

そこで君らは何かを知るんだよ

それが例え 悲劇だろうと
目を背けちゃいけないんだ

その先にあるのは
きっと 輝かしい君だけの意味があるから

この物語はまだ始まったばかりさ



「あなたは何を感じますか?」