編集長ブログ -72ページ目

編集長ブログ

ブログの説明を入力します。

 29日の土曜日は学院長をしている「日本話し方センター」の会議。若者のコミュニケーション能力が衰えている現実への対応を、講師の人たちと話しあった。
 午後、花見客でごった返す上野公園の中を抜けて都美術館へ行った。「世紀の日本画」展の後半展示を見たいと思ったのだ。
 前半展示の時も、速水御舟や小林古径の絵に癒されたが、今回は、菱田春草の「四季山水」に感じ入ってしまった。四季の自然の移ろいを、点描風に、明るく目に優しいとりどりの色彩で描いた一枚の絵巻。ウ~ん、いいなあ・・・・・思わずうなりそうになった。春草は大正時代に入る直前、35歳の若さでなくなってしまった夭折の天才。それにしても若い。死ぬのが早すぎる・・・・・・。
 小林古径の「出湯」もいい。温泉の浴槽に腰かける裸婦の後ろ姿の柔らかさが、乳白色の柔らかい色で表現されている。漂うほのかな色気・・・・・・。裸婦だけでなく、その浴室全体が乳白色で覆われ、湯治場の空気感が見事に描かれているのだ。
 そうして、帰りがけに北野恒富の「茶々殿」を見ている時に、気づくことがあった。「茶々」とおもわれる女性の着物の淡い海老茶色の濃淡が、なんともいいようのない優しさをたたえている。嬉しくなるような色合い。
 自分が幾人かの日本画の画家たちの作品に「癒し」を感じるのは、その色彩に理由があるのではないか・・・・・。目の中に染み入るような色。その時感じる幸福感。・・・・・・彼らが色を表現するのに使う岩絵具に秘密があるのではないか。岩絵具が作りだす色は、日本の伝統色であり、日本の風土の中で日本人が古来から体の中にいれてきた色だから、癒しを感じるのではないか・・・・・・。油絵の絵具からは感じられない別の感動がある。自分は若いころから洋画一辺倒できた。いまでも、イタリア美術を勉強しにイタリアへ行きたいと思っているくらいだ。しかし、一方で、歳とともに日本画の魅力にもこころ奪われている自分がいる。