伝説のバルチュス夫人・節子さんに会う | 編集長ブログ

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バルチュス夫人節子さん 

 18日金曜、「バルチュス」展のプレス向け内覧会に、都美術館に行く。30年前、パリのポンピドゥーセンターで旅行中に見た大回顧展の衝撃的出会い以来、バルチュスは、大きな謎と神秘をもった画家として、ずっと自分の中で重要な場所を占めてきた。ピカソが彼を「20世紀最後の巨匠」と呼んだように、バルチュスはヨーロッパ人にとって、相当大きな存在なのだ。 
 彼のモデルにもなっている夫人の節子さんにも、長年、関心を持ってきた。実物はどんな女性だろうか・・・。彼女についての本はすでに何冊も出版されている。テレビのドキュメンタリーを作ってみたい・・・・一緒にテレビの番組を企画している放送作家の原渕さんと、彼女を口説いてみようと前から話していた。
 内覧会はプレスの関係者向けが1時から、3時過ぎから開会式とテープカット、その後でまた、一般招待者向け内覧会という予定になっていた。その間に節子夫人の写真撮影やインタビューがあるはずだ。
 急ぎ足で展覧会場をひとめぐりした。没後初めての大規模な回顧展という意気込みは確かに感じられる。主要な作品のほとんどが展示されている。やっぱり、いつもセンセーショナルで、心騒がせる作品群。それにしても、何なのだろう、この不思議な魅力は・・・・・。
 会場の2階に再現されたバルチュスのアトリエの前で、節子夫人がテレビのインタビューを受けていた。NHKの報道のクルーだった。プレスの関係者たちを上手にやり過ごしたのか、その場には私以外、ほとんど人ががいなかった。私の目の前の夫人は、鮮やかな紫の和服を着ていた。ひっつめの黒い髪。岸恵子さんを少しふっくらとさせたような面立ち。72歳には思えない若さがあった。話しはまだ後で出来ると思い、その場では声をかけなかったが、結局、テープカットのあと、夫人は関係者にガードされて会場を離れてしまった。主催者から、節子夫人のそばで今回の帰国中の面倒を見ている女性を教えてもらうことができた。それと、心強い援軍がいた。
  2日前に食事をした友人の門林一夫が、パリに住んでいた時代に節子夫人と親交があった、と突然話し出したのだ。バルチュスが晩年をすごしたスイスの自宅、グラン・シャレにも行ったことがあるという。門林とは長い付き合いだが、そんな話は聴いたことがなかった。いざとなれば何とか夫人に改めてコンタクトすることはできそうだ・・・・・・。
  娘の春美さんも白いドレスを着てテープカットの時に登場した。美しい。日本人の血を感じさせる顔の中に、しっかり、バルチュスの面影がある。結局、3時間以上会場にいたが、来た甲斐があった!