春憂如何に映るか今の世は

              世に杭うちて埋もれし者に

                         白鳥鈴奈

 

文学史を学んでいますと、世界の様々な詩人や作家の活動や人生を知ることになります。
 
世の中を変えようとして理想を詩に掲げて訴え続けた世界の人、露となっていった人。
 
良い日本にしようと命がけで守ろうとした過去の人。
そういった人の目に今の世の中はどう映るのかなあ?
命と引き換えにまでした彼らの未来にあたる現在を見て、満足してもらえるかなあ?
 
と、歳時記の春憂(はるうれい)の季語を見ておりまして、これも春の憂いに違いがないと過去の人たちの視点と交差して詠ませていただきました。
 
また、時折感じることがあります。
 
今の世の中があるのは、過去の人たち のおかげ。
文明や医療の進歩も過去の人の知恵や研究のおかげ。
 
衣食住に事足りているのは、今の世の中の人のおかげ。
原始時代と違って、作ったものや労働を交換し助け合っているわけですから。
ネットでも情報交換してますし。
 
なんて、普段はあまり考えないのですが。
歳時記のおかげでしょうかニコニコ
 
(季語を参照した本)
『よくわかる 俳句歳時記』石寒太編集 ナツメ社
 
【春愁】しゅんしゅう  しゅんしう 
春愁(はるうれい)•春愁ふ•春怨(しゅんえん)• 春思(しゅんし」
 
(季語解説)
「春、自然が明るく、生命力にあふれて輝く時、人の心は捉えどころのない、鬱々とした思いに駆られることがあります。・・・」