敗戦と大衆、 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

 

村 岡  信 明 美術館

 

敗戦(戦争)と大衆

 

1945年8月15日、玉音放送で「無条件降伏を受け入れる」と。この放送を聞いていた大衆は「バンザーイ」と双手をあげて喜んだ。「もう空襲はないぞ。爆撃もない。殺されない」。

女性たちは「これからお化粧もできる。口紅も塗れる」。これが現実の大衆の姿。

これが半年早ければ、東京大空襲もヒロシマ・長崎の原爆もなく、多くの人命が助かったのに。人道的に許せる戦争ってあるだろうか?沖縄戦でガマ(洞窟)の中にいる民間人を火炎放射器で焼き殺し、ヒロシマ・長崎の原爆投下は日本人をモルモット同様の生体実験であり、さらに東京大空襲は母親と子供たちから生まれる前の胎児まで2時間で10万人以上を焼き殺した。これらを知る生き残った人間の多くはもういない。

 

墨痕 東京大空襲   2022年4月28日,金