雨に濡れる清住庭園、 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

 

雨に濡れる清澄庭園

 

時々清澄庭園に行くことがある。この庭園が私の故郷です。子供の頃はこんもりとした茂った自然でした。森に囲まれた庭園のなかで蝉やとんぼを追いかけていた。笹の葉を池の縁に沈めてエビもよく捕まえた。夏休みには朝から晩までこの庭園で遊んでいた。勉強、その合間にしたかな、子供は自然のなかで育ってこそ豊かな感情がはぐくまれる。

パソコンやゲームに入り浸る今の子度は可哀そう。極度の商業主義に汚染された人間にまっとうな体力と精神は育たない。

 

梅雨に濡れた静かな清澄庭園で人生と運命を思うこともある。東京大空襲で助かったのもこの公園の木下であった。

 

2020・11・8、水