東京大空襲・013・風化していく東京大空襲 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

東京大空襲、70周年。死との記憶、その13

風化していく東京大空襲と戦争

「もう戦後ではない」という言葉がよく使われているが、東京大空襲。日本大空襲の被災者、特に戦災傷害者には大空襲と戦後はいまも毎日の現実であり、戦後は終わっていない。

名古屋大空襲で顏半分をえぐられた杉山千佐子さんは一生不自由な生活を送っている。今年100才になった。

残った片目はもうほとんど見えない。耳も聞こえない不自由な体でも、戦後の人生を一貫して反戦・平和運動に尽くしている。


炎の夜は忘れない

一人を殺せば殺人犯

百万人を殺せば英雄となる

こんな人殺しが許されるのか

炎の夜は忘れない


東京原人の手形

生き残った人間の手は暖かい

紙と墨と東京原人の掌

この手形が

いつまでも炎の夜を語り継ぐ


(水)2532015。 詩画集「東京原人の詩」村岡信明・著より