古廟の中で出合った母子 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

シルクロードの旅漂


8 古廟の中で出会った母子


古廟の中にもいろいろな人生がある。その土地で生まれ、その土地で育ち、その土地で生きていく。そしてその土地の中にもさまざまな運命がある。

Φ

サマルカンドの古廟の中で、天蓋の無い広間を行くと、小さな女の子が一人で遊んでいた。私が近づくと急いで母親にすがりついて、私の顔をじっと見ていた。見慣れない変なおじさん、とでも思っていたのだろうか。

母親は何処の国でもみんな同じである二人の子供を抱えて懸命に生きている。