パナソニック汐留美術館にてスタートしたテルマエ展は、
ヤマザキ・マリさんのヒット作「テルマエ・ロマエ」にインスパイアされた(とおぼしき)
古代ローマのお風呂を起点としたユニークな展覧会です。
先日、本展に関連して、ヤマザキ・マリさんと元文化庁長官・青柳正規氏(現在は
多摩美大理事長その他)の対談がありました。
展覧会は未見なのだけど、チケットがあれば参加可能。
講演会開催日の展覧会は混雑するので、後日行くつもり。
ヤマザキさんと青柳氏の講演会はそれぞれ単独で聴いたことがありますが、
御話上手なおふたりの対談とあっては、どんな化学反応があるのか
楽しみでした。
(以前聞いたヤマザキさんのトークは、「テルマエ・ロマエ」の映画が公開されて知名度がぐーんとアップしたころ。実家に帰る途中の駅でたまたま講演会があると知り、途中下車して聞いてから実家に行ったという流れ。アドベンチャーに満ちたスリリングな人生話は圧巻でした。)
2人の掛け合いは想像以上で、古代ローマ時代を中心に話が弾む・弾む。
すごいなぁと思ったのが、おしゃべり好きな2人なのに、互いに相手の言葉を
遮ることが一切なく、台本もないのに会話がきれいにバトンリレーを繰り広げる点。
会話の呼吸を熟知している2人だからこそ、2人の息がぴったり合っているからこそ。
お風呂の水源として古代の水道橋の話も出てきました。
水路の絶妙な傾斜角度の話とか。
さらに、イタリアなどは硬水なので、実は石灰除去が相当大変。
フランス・ニームの水道橋などは1年間流し続けると白い石灰がこびりつき、
1か月は閉鎖してメンテナンス。
奴隷たちが掻きだして両側に廃棄し、石灰の山となった、、といった話も。
その奴隷たちにはキャリアアップの道があり、公共の仕事における自己PRを経て
解放奴隷ー市民になるなど、キャリアパスが活性化した社会だった。
その一方で、コロッセウムで勝利すると収入もよかったため、
奴隷で居続けることを望む人もいて、剣闘士のスター化も見られた。
水道橋の話から転じて話はウォシュレットへ。
残念ながらウォシュレットは欧州では普及できず。
理由はやはり硬水による石灰問題のせい。
また、昨今、ヴェスヴィオ火山噴火日が見直された一件も、おもしろおかしく披露。
ポンペイ埋没の日は従来小プリニウスの書により8月24日とされていたものの、
今では10月というのが定説に。
きっかけは、「10月xx日に食事をした」、という落書きの発見。
つまり噴火はそれ以降、ということ。
実際アンフォラの中にあった果物が秋の収穫物であるなど、
真夏説には疑問がもたれていたので、落書きは信用に足る、とみなされました。
古代ローマ人の行動を、現代のSNSになぞらえるのがヤマザキさんならでは。
食事をしたという落書きなどはまさに今のブログなどSNSの行動パターン。
借金大魔王のカエサルも、落書きで中傷されるなど、恨みつらみを
”書く”という手段でぶつけるメンタリティは今も昔も同じ・・・
そして「続テルマエ・ロマエ」は、一部無料で購読できるようです:
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ローマン風呂というと英国のバースを思い出します。
これまで2度行った好きな場所。
上のバースの写真は昔のブログの写真を再掲。
それ以外にいろいろあるはずだけど、古い写真ゆえ今から探すのは難儀。
ということで再び桜の話:
火曜日の大荒れ天気で桜は大打撃だったろう、と思ったけれど、
まだ8割ぐらい花をつけている木もあり、意外に踏ん張ってくれていました。
水曜朝、けなげに耐えた木々にスマホを向けていたら、通りかかるサラリーマンたちが
みな似たような場所で足を止め、写真を撮っていたのが可笑しかった~。
この緑道の桜は特に開花が早かったので、かなり派手に散っていました。
桜の様子もさることながら、気づけばいつの間にか新緑が勢力拡大。
目に染みる青葉にも癒されます。