アンディ・ウィアーの「プロジェクト・ヘイル・メアリー」のオリジナル版

「(PROJECT)HAIL MARY」をやっと読了。

(PROJECTの文字はほんの小さく入っています。)

 

最初に図書館で借りたものの、すぐに澤田瞳子さんの「若冲」を読み始め、

貸出期間延長をしようとしたら、次に予約が入っていていったん返却。

再度予約を入れて、改めて借りて読み始め、先ほど読了。

 

途中は中だるみというか一向に加速せず。

一時期仕事で連日やっていた科学実験仕様書和訳を想起するような内容でした。

冒頭部分は、その科学原理がわからないと気が済まなかったけれど、

だんだんロジックを理解できなくても気にならなくなりました。

とにかくストーリー自体がどっぷりフィクションに突入していったので。

 

そう、SFの私的金字塔ハインラインの「The Door into Summer 」のように

現実的側面が混じるストーリーではありません。

一から十まであり得ない話を、しごく真面目に書き連ねていきます。

よくもまあ、これだけ次々もっともらしく、(現時点で)非現実的なことを

積み上げられるものだなぁと、あきれるやら感嘆するやら。

 

日経新聞で「昔懐かしい本格SFのノリ」と評されていましたが、ああ、こいういうことか

と納得しました。

ただ、その後に続く

「”だれが読んでもおもしろいSF”という無理難題に果敢に挑んで見事に成功した奇跡的な傑作」

という評についてはどうでしょう。

原理説明が続く場面で挫折する人はいないのだろうか?と。

 

とにかくなんとか粘り腰で読んで、ラスト100頁に突入。

やっと、一気にエンジンがかかりました。

次が知りたい、次はどうなる、の連続で、ハラハラドキドキ。

 

ざっくりいうと、最初の4分の3が、なぜこうなったのか?を探る展開。

残りが、主人公の発想力で読ませる展開です。

 

これから読む人にここで一つアドバイスするとすると、”ヘイル・メアリー”の意味を

一切調べずに読み終えるほうがお勧めです。

ヘイル・メアリーとは、ここでは宇宙船につけられた名前です。

文中ではそのネーミングの由来などには触れられていませんでした。

 

ヘイル・メアリーの意味を調べたのは、読み終えてから。

ちょっと特殊な名詞なので、アットランダムに付けられたはずはない。

きっと小説の内容を示唆するような意味を持たせているに違いない、と。

 

調べてみたところ、あるスポーツに関係する言葉でした。

(本筋の意味がもちろん先にあってからの転用。)

意味を知ったとき、ああ、読み始める前に調べなくてよかったな、と思いました。

 

読後に意味を知り、ああそういえば、話の最終局面の展開はまさにそれだったなぁ、

と感じ入る、、そんな楽しい余韻を味わえました。

先に意味を知ってしまうからといって、ストーリーがわかるわけではないし

直接的ネタバレではないけれど。

それでもある程度の流れの見当がついてしまう可能性もあるし。

 

(↓ヘイル・メアリーの意味、ここで知りました。)

I've been thinking about the meaning of the title "Project Hail Mary"

 

 

 

**** 目を見張った日比谷~京橋付近の建築物 ****

 

以下、以前アーティゾン美術館に行く途中に見つけて、ええ??と思った建物など。

 

1)NTT docomoがいつの間にやら立派な建物のテナントに・・

 

丸の内仲通りを歩いていて、目に留まりました。

ええ?NTT docomoって、以前からこの壮麗なビルのテナントだったっけ?

この建物はなにかというと・・

 

 

 

第一生命日比谷ファースト(旧第一生命館)です。

お濠端から眺めることが多いけど、仲通り側から見て docomoが入っているのに

気づきました。

以前は違った気がするんだけど・・。

 

 

2)京橋傍にある物見やぐら?

 

 

 

京橋界隈。目線を上げて改めてみると、よくわからない塔が出現し、ちょっと異色。

これも1)同様、第一生命関連のビルです。

 

その名も相互館110タワー。

辰野金吾設計の初代第一相互館の特徴を一部生かしたため、こんな時代錯誤感のある

塔がのっかっているんですね。

こちらは2012年竣工の3代目。

 

ちなみに初代の竣工は1921年。

辰野金吾は、完成前の1919年、スペイン風邪で世を去りました。

 

 

 

3)国際フォーラムって設計者はウルグアイ人だったんだ

 

これまで見慣れてしまったせいか写真を撮る発想がなかった国際フォーラム。

設計者って誰だっけ?と思いつつ撮影。

調べたらラファエル・ヴィニオリという、ウルグアイ人の建築家の作でした。

それも、本人にとってはかなりの初期作品。

入札のときなどきっと話題になったのでしょう。

でも、1997年竣工というから、まだインターネットが一般に十分普及する前のこと。

余り話題を耳にすることなく生活になじんでいました。

 

 

 

4)椅子・テーブル一体型

京橋で見かけた椅子とテーブル一体型のセット。

四角い鉄板に切り込みを入れればできてしまいそう。

特許を取った人(団体)がいるのだろうな。