日本橋三越本館で、意表を突く大スケールのイベントが行われています。

(3/5まで。)

 

日本画の第一人者・手塚雄二さんが手掛けた東叡山寛永寺根本中堂天井絵奉納記念として

その天井画実物を展示しているのです:

東叡山寛永寺根本中堂天井絵奉納記念「手塚雄二展 雲は龍に従う」展。

 

同時並行して、本館7Fでは手塚さんのその他の作品の展覧会(有料)も開催中。

 

 

 

 

古い板絵に描かれた2匹の阿吽の龍が金雲を背景に絡み合っています。


 

 

 

手塚さんが下図を描き、門下生3人が協力。

本来なら大人数で制作するところを、実質的に4人で仕上げています。

(このお三人の作品展示も、三人展と題して別途開催中。)

 

下の写真の口を開いた龍(阿龍)の手のひらには薬師如来を意味する梵字が書かれています。

が、実はこれ、今のところは貼ってあるだけ。

最終的に、奉納の際にこの梵字が貫首の手で入れられることになっています。

 

この梵字の色は、青が適切、という判断で、手塚さんはラピスラズリーを使用しました。

瑠璃色、つまり深い青い光を放つことからご本尊は薬師瑠璃光如来と呼ばれているからです。

 

 

 

 

下の画像は写真を撮影したもの。

実際に天井画を搬入する前、サイズ感や展示のレイアウトを検討する上で、

あらかじめ原寸大の大下図を運び入れて、確認していたようです。

 

 

 

大下図の前には小下図が制作され、そちらは本館7Fの上述の展覧会で見ることができます。

非常階段ランプが映りこんでしまっているけど。

真横から見るとこんなイメージ。

ホールの展示はどうしても上から見るので、立てかけた場合どう見えるかが把握しづらく、

これを見るとイメージがつかめます。

 

 

 

7Fの展覧会場の方には額装の絵だけでなく、屏風も多々。

左隻が風神風雲、右隻が雷神雷雲と題されています。

左が緊迫を思い切って散らしているのに対し、右は金粉使いと見受けました。

画題の対比だけでなく、技法の対比も堪能できる作品。

 

 

 

 

そのほか数々の作品がありすべて撮影OKだったのですが、、、

画像で見ると、まるで実物の良さが反映されておらず。

特に60代以降の作品が一段と繊細で、絶品。

若いころの画題を探すような模索期から、次第に対象物が自然とついてくるような、

そんな収斂されていく様子を感じました。

銀を散らしたような木の幹の下部のみを描いた作品などは

対象物は簡素、でも究極の美ともいえる仕上がりで、息を飲みました。

(でも写真ではなんと平凡に写ってしまうことか。)

なので今日の所は画像は上の屏風のみにて。

後日気が向いたら・・

 

本日15時からはパイプオルガンの演奏も始まり、天井画とのコラボが楽しみました。

(週末、および金曜日に開催されている模様。)

赤枠がパイプオルガンの演奏者がいる場所。

本日のテーマは卒業。

ダスティン・ホフマン主演の「卒業」、「仰げば尊し」、森山直太朗さんの「さくら」など。

MCの方いわく、学生として卒業を迎えた方だけでなく、コロナの時期を頑張ってきた

みなさんのエールとして演奏して頂きます、みたいなことを語っておられました。

 

コロナで演奏がストップした時期が結構あったのでしょうね。

MCの解説の端々に、コロナ渦の話が出てきました。

 

 

 

こちらは、シアターオルガンといって、サイレント映画の伴奏をしてきたオルガンなので

音色が非常に多彩です。

鐘の音や金管楽器の音色も、試験的に聞かせて頂きました。

のど自慢の最後にキンコーンとなるあの音色まで。

 

 

 

パイプオルガンの説明を以下に:

 

 

 

 

日本橋三越って集って楽しんでもらえる場を提供するそのエンターテイメント性においては

百貨店業界随一だなぁという思いを抱きつつ帰路につきました。

 

https://www.mistore.jp/shopping/event/nihombashi_e/tezukayuji_50