日経新聞朝刊連載の辻原登氏「陥穽 陸奥宗光の青春」が1月いっぱいで終了。
あっけなさすぎて、ポカンとしてしまった。
もともとタイトルからもわかるように、陰謀への加担が話の中心で、
本人の”青春”時代、つまり外交手腕を振るう前までの話、
とは理解していたけれど。
あれだけ綿密に史実を精査していたのだから、経歴に照らした”本題”突入前に
筆を引っ込めてしまったのはもったいないなぁ。
外交人生が始まる前の終了ということもあり、結びのくだりはやはりインパクトに欠け、
最後の<完>の文字を見たときは半信半疑だった。
まぁ、既につまびらかにされている華麗な人生の裏を探るのが本書の目的なのだから、
これはあらかじめ予想できたこと、と納得することにする。
ということで、締めに以前外務省で見た陸奥宗光の銅像を。
そばにあるのは外務省創立100年の記念碑。
外務省サイトを見ると、
明治2年(1869年)7月8日 外務卿に沢宣嘉氏が任命。
この日をもって外務省創設としている。
(前年の慶應4年に、外国事務という役職が設けられ、外務卿の前身というかたち。)
なのでこの碑も、100年後の1969年7月8日付け。
碑の内容は、「初代外務卿沢宣嘉成制定外務省法則の一節」。
最後の氏名はときの外務大臣愛知揆一氏。
ちなみに陸奥の任期は、明治25年8月8日~29年5月30日。
ついでに最近読んだ本の話。
友人が、種明かしがすごいから、と貸してくれた本:
「世界でいちばん透きとおった物語」。
絶対電子化できない書籍、というふれこみに魅せられて買ったらしい。
とにかく読む前から、いろいろ推理してしまった。
登場人物の謎のほうは(遺作の内容・侵入者・結末)はわかったのに、
肝心の本書タイトルが意味するところはまったく的外れ。
(紙に穴が開いていると思った。)
本書は、登場人物のなかに混じる実在の作家から着想を得たものなのかもしれない。
やられたなぁ、やられたなぁ、、、気づかなかった自分が悔しい。
最後に、写真を準備していたのにずっと出しそびれていた九段下の琉球料理屋さん。
同行した友人が通で、すべてオーダーお任せ。
メキシカンのピンチョスみたいにお野菜たっぷり。
味がマイルドで感激した。
(って、こちらにくるのは初めてではないけど、かなり久々だったので改めて。)