おととい、NHKのクローズアップ現代を何気なく見ていたら、冒頭いきなり鈴木京香さんが登場して、あれっと思わず身を乗り出して見てしまいました。

 

この日のテーマは建築維持・保護。

鈴木さんは、ちょうど吉阪隆正氏設計のヴィラ・クゥクゥのオーナーになり、話題をまいていた矢先。

この日のテーマにぴったりの登場人物でした。

(翌日京香さんの病気治療のニュースが出てびっくりでしたが。

番組終了を待ってのアナウンスだったのでしょうね。==>と書いたけれど、最新の報道を見たら、実際にたまたま降板決定が番組の翌日だったみたい。

順序が逆だったら、クロ現の鈴木さんを見ながら、

建築そっちのけで治療のことばかり浮かんでしまったかも。)

 

吉阪隆正というと、前川國男氏・坂倉準三氏とともにコルビュジエの日本人弟子として知られますが、知名度ではこのおふたりほどではない印象です。

 

もともと熱心な登山家で、そちらの活動にも力を入れていたと聞きます。

吉阪氏をしのぶ講演会でも、山の話が多々出てきて、異色でした。

ヒュッテも作られたようです。

 

寡作なので街を歩けば吉阪作品に出くわす、ということはないですが、

いまも現役でフル稼働・活用中の吉阪作品といえば、語学学校アテネ・フランセでしょう。

アテネ・フランセというぐらいなので、フランス語教育にもともと力を入れた学校で(英語などもあるけれど)、かたや飯田橋にあるもうひとつのフランス語学校・日仏学院は、板倉順三氏作です。

 

フランス体験のある建築家が2つのフランス語学校を手掛けたのは偶然ではないでしょう。

 

 

 

 

壁面にはアルファベットを幾何学化した文字がくりぬかれています。

たしか、ATEHENEE FRANCAISの文字が読み取れるのじゃなかったかな。

 

 

 

ちなみにアテネフランセというだけあって、よく見ると壁にはギリシャ神話の

神アテナが描かれています。

もっとも昔通学していた頃はそんなのはまったく気づかず。

通学している学校の建物などというのは身近すぎて、鑑賞対象たりえないものです。

 

 

 

 

このアテネの建物では、設計者・吉阪隆正関連のイベントがたまに開かれていました。

たとえば、吉阪隆正賞授賞式など。

 

↓下の写真は、吉阪隆正賞創設の立役者のひとり、建築家の内藤廣氏から同賞を受け取る

西沢立衛さん。同賞第5回の受賞者です。(2017年)

 

なお、資金が終了したとのことで、吉阪隆正賞は、第5回で終了。

終了アナウンスがあったとき、別の形で続行する可能性もある、という話ではありましたが

その後どうなったのかな?

 

 

 

こちらは千住博さんともお知り合いという西沢立衛氏が手掛けた、軽井沢の

軽井沢千住博美術館。↓

光を嫌う絵画を扱う美術館にしては珍しく採光たっぷりの作り。

自然との共存が意識され、曲線美が印象的な心地よい美術館です。

 

*以下、同美術館の写真は限定的な撮影可能日に撮影したもの。普段は撮影禁止です。