先週末上野に行った際、久々に西郷隆盛像を見てきました。
久々・・・そう、こうして改めてしげしげ見るのは本当に久しぶり。
普段上野公園に行っても、上野の森美術館脇からは、木々に隠れてこの像は見えないし、
さらに、余りに有名すぎて改めて見ようという気になかなかならないし。
でもそこにあえて目を向ければ、新鮮に映るやもしれず、新たな発見があるかもしれず。
特に作者が高村光太郎を子に持つ高村光雲とあれば、野外彫刻鑑賞の対象として
申し分なし。
こうして眺めると圧巻の存在感だけでなく、しなやかに衣のなびく様子なども絶妙だわ~、
などと改めて感心。
なんだか武蔵丸に似ている、、、
なんていう発見も??
ふくらはぎも堂々たるもので、その類似性に拍車をかけます。
着物の襞、刀を差す帯の結び目、犬の手綱など、銅像とは思えぬ柔らかさ。
リボン結びのような腰ひもがアクセントの後ろ姿、着物の裾など、
へえ、こんな造形だったんだ、とか。
「西郷隆盛君之偉功在人耳目不須復賛述・・」
台座部分。
上野でほかに光雲作品が見られるのはこちら。
東京国立博物館に時々出展される「老猿」も高村光雲作。
こちらの方は木彫。
木の特性を存分に生かした毛並みが有機的。
挑戦的な目つきに目力負けしそう。
さらに芸大敷地内にはご本人の顎髭たっぷりな頭部像があります。
芸大彫刻科の教授だったので、ほかの元教授の頭部像にまじって置かれています。
写真はコロナ前のものですが。
西郷さんが武蔵丸なら、こちらはさしづめ益田喜頓といったところかな。
顎髭を取り去ると似ている気がする。
設置が死後だったので、誰の作品だろうと思って台座のへんをチェックしたのにわからずじまい。
作者誰だろう、と思いつつも、書きながら途中で筆が滑ってうっかりあたかも光雲作のような誤解を与える書き方をして失礼しました。
息子の光太郎だと教えて頂きました。
ありがとうございました!
高村光太郎というと近美の手などの作品があり、文筆だけでなく彫刻家としても素晴らしい作品を残していますね。