東京新聞を読んだ友人から教えてもらったのだけど、近々東京国立近代美術館(竹橋)正面のイサム・ノグチの大型オブジェ「門」が、近々現在の赤x黒から、青x青に塗り替えられるそう。

 

 

東京新聞の記事(下方にURL)によると、この「門」という作品は、

”1969年に東京国立近代美術館が今の場所(北の丸公園)に新築された際に、ノグチがこの建物に合わせて作”ったとのこと。

 

5-10年ごとに色を塗り替えることが作家本人から許可されており、色のバリエーションは青x青、黄色x黒、赤x黒の3パターン。

 

10年ぐらい前にこの作品の色が変わったことは知っていたけれど、作品そのものを入れ替えたのだとばかり思っていたなぁ。

 

青x青の時代も近美を訪問したことはあるはずだけど、記憶になく。

私が覚えているのは、黄色x黒の時代以降。

 

2011年の旧ブログに、その時代の写真を掲載していたので、こちらにアップ。↓

 

 

 

 

 

 

 

現在の赤x黒の「門」も幾度となく写真に収めているはず。

すぐに見つからないので、とりあえず手っ取り早く「窓展」のときに、裏から紅葉と一緒に撮ったものを:

 

 

 

↓東京新聞の解説(次回の色、青x青の色のインスピレーションソースが、清掃車の色、というのがなんとも・・・)

 

 

 

上述どおり、「門」は、”1969年に東京国立近代美術館が今の場所(北の丸公園)に新築された際”に制作されたもの。

ではそれ以前、近美がどこにあったかというと、京橋です。

 

2012年の近美60周年記念のときに、近美の生い立ちについて詳しい解説が出ていました。

 

その時、もっとも驚いたのは、竹橋の今の近美の建屋はブリヂストンの石橋正二郎氏から寄贈されたものである、ということ。

 

 

60周年記念展で披露された近美誕生秘話を、手元のノートをもとにまとめると(アメブロ移行前の旧ブログ内容とも重複するけど):

 

 

● 近美が開館したのは1952年。サンフランシスコ講和条約発効の年。主権回復の機運とともに日本初の近代美術のコレクションを目指した。

 

●当時の所在地は、現在のフィルムセンターがある京橋の建屋。自前の建物を建てるには予算がショートしていて叶わず。

 

●しかしすぐに手狭になった。候補地探しは、難航。そんな折り、現在の北の丸公園そばに美術館用の建物を建て、国に寄贈したのが石橋正二郎氏だった。設計は谷口吉郎氏(谷口吉生氏の父)。
 

●初購入作品は、土田麦僊の「舞妓林泉」と、村山華岳の「日高河清姫図」。両者とも官展に反旗を翻した作家として知られ、気概に満ちた点が、近美のコンセプトと合っていた。


●そのほか、海外を行き来して活動し、日本では知られていなかった画家や、生存中の画家からの購入も。

 

などなど。

 

ちなみに60周年記念の大展覧会が開催されたのは2012年10月から。

つまり、今年は70周年に当たることになる。

 

50周年記念回顧展は行わなかったものの、60周年を試みで開催し、手応えを得たとのことだったので、ぜひ70周年記念展もやってほしいもの。

 

60周年記念のときは、特製の看板もあったっけね。