◆大正時代に動物園の年間パスを得て動物の写生に打ちこんだ画家

 

 

昨日たまたまTV番組をザッピングしていたところ、BS朝日「百年名家」で木島櫻谷の京都の旧宅(本家と離れのアトリエ=年に数日間だけ一般公開しているそうです)を特集していました。

 

番組によるとアトリエのほうは、国内でも随一といえる広さを誇る80畳ものサイズ。

圧巻でした。(画像は後程)。

 

離れには、アトリエのほか、椅子のある談話室のような部屋があり、作品が飾ってあります。

 

 

 

よく見覚えのあるライオンの掛け軸も。

2017年泉屋博古館で開催された木島櫻谷展に来ていたものです。

 

 

 

一緒に番組を見ていた夫がひとこと:「なんか表情があるライオン!」

 

私はそこで、木島櫻谷に関する知識を披露します。

 

「木島はね、実際に動物を見て描いたのよ。

動物園の年間パスを持ってたからちょくちょく通ったのよ」

 

 

 

なぜ知っているかというと、2017年3月に泉屋の展覧会を見に行き、説明を受けたから。

直後のブログにも、動物園パスのことを記しました。のみならず、写真撮影許可が下りていたので、パスの写真を撮ってブログに載せています。

 

下の画像がそのパスです。

犬の図柄が描かれていて、発行年は大正11年。

年間パスというより厳密には「優待観覧券」とあります。

そんな時代に年間パスがあったのか、と思ったものの、実際には写生に来る木島のために動物園が贈呈したもの。

一般に販売されていたかどうかは不明。

 

 

 

 

さて、先述の木島のアトリエはこちら。

今は教室に利用されているので椅子机が置いてあります。

天井も高く、まさに大型の絵を描くためにしつらえられたアトリエ。

 

 

 

木島のアトリエは国内でも有数の広さを誇るそうですが、以前見た川崎龍子のアトリエもかなりのものでした。

(外からのみの見学です。)↓

龍子は、絵の大きさでも知られます。浅草寺の天井画も手がけました。

 

 

 

 

龍子のアトリエ入り口。

 

 

アトリエの場所は大田区の龍子記念館の向かい側。下の写真は記念館=美術館のほう。

 

 

 

 

木島の母屋の方は、細部に木島の工夫がみられるようです。

母屋紹介の後半部分から見たので、詳しいポイントは聞くことができず。

 

 

 

部屋にあった着物は木島が図案を考案。手書きだそう。

5歳の孫に、将来結婚式で着てほしいとの願いを込めて制作。

 

 

木島画伯の望み通り、孫はそれを実際に結婚式で着て、

さらに画伯の玄孫がこのほど再び結婚式で身にまとったそう。

祖先が描いた着物がこうして受け継がれているようです。

 

(写真は、本着物を着たお孫さん。)