日経新聞の美術十選、最新のシリーズは画家でエッセイストの玉村豊男さんが執筆者。

 

「祝祭の酒 日常の酒」と題して様々な絵画を取り上げています。

その第6回目で取り上げられたのがこの一枚:ゴッホ「赤い葡萄畑」(La Vigne rouge :プーシキン美術館所蔵)

 

「ゴッホの絵は生前1枚しか売れなかった」、という話が語り継がれていますが、

実際、”公式な記録を伴うかたちで”売れたのが唯一この「赤い葡萄畑」だそうです。

 

 

 

非公式であれば売れたものがさらに幾つかあるようですが、関連の資料をWebで漁ってみたところ、画廊などの記録としてでなく、弟テオとの手紙のやり取りなどから購入の形跡が伺われるとのこと。

 

ただし書かれた日付に該当する取引きがなかったり、あるいは金銭授受は生前でも、販売は死後だったというケースもあるようです。

 

具体的に言うと:弟テオが兄から絵を受け取り代金を渡した後、自分でその絵を所持し、その後値段が引きあがった段階で売りさばいた、、、といったことのようです。

 

他にもタンギー爺さんの肖像画を売ったことが書かれたレターも見つかっているらしいのですが、具体的にどの絵か特定されていない、という話も。

 

ちなみにこの「赤い葡萄畑」は1888年に描かれ、売れたのは1890年。

購入者は友人の画家ユージン・ボッホの女兄弟アンナでした。

この絵が売れてじきにゴッホは命を落としたそうです。

 

 

以下、朝のアムステルダム: