先日のブログで、「わけあって浅草神社に行った」、、、と書きました。
浅草寺と隣接している神社ですが、浅草寺が有名すぎてスルーされることが多いかと思います。
けれどいたるところに様々な碑があり、さらにカラフルな壁面など見所満載。
今回1回では網羅しきれないほどネタにあふれています。。。とはいえ今回私のお目当てはいたって地味なものでした。
それがこれ↓
江戸時代の戯作者・山東京伝の机塚です。
今、滝沢馬琴の生涯を追った日経新聞夕刊の小説「秘密の花壇」(朝井まかて氏作)を毎日楽しみにしており、文中にしばしば登場する山東京伝ゆかりの場所を目指したのでした。
この山東京伝、浮世絵師としても北尾政演という名で活躍した多彩な人ですが、創作活動はなかなか気儘であったようです。
とはいえ、並々ならぬ集中力の持ち主なのでしょう、使っていた机が擦り切れるほど戯作に励み、そうした”老いぼれた”机を通じ、故人をしのんだのがこの碑です。
イニシャティブをとったのは、弟の山東京山。
聞くところによると京山と滝沢馬琴は犬猿の仲だったとか。
そうしたくだりが「秘密の花壇」のなかに今後登場するかどうかはわかりませんが。
この山東京伝の碑は、駐車場の一角で、ロケーションとしてはいまいち。
ほかの碑とともに、境内の隅の方にあれば情緒もあるものの、車を置くためだけにあるこの場所では、ほとんど見向きもされないのが実情です。
「秘密の花壇」のなかでは、自分が載らない戯作を滝沢馬琴に振り分けたりします。
いまは馬琴の方が有名ですが、当時は京伝のほうが先んじて名声を得ていました。
裏側に書かれた京伝の略歴の撰は、友人でもあった太田南畝によるとのこと。
確かに「南畝」の文字が見えます。
あまたあるこの神社の至宝のなかで、あともうひとつとりあえず言及するとするとこの夫婦狛犬でしょうか。
赤い相合傘の下にちょこんと収まっているさまも愛らしく。
石が敷き詰められ、山東京伝の碑よりも断然メジャーな位置を確保しています。
右が雌でしょうかね。
お隣が浅草寺でなければ、もっともっと脚光を浴びてしかるべき場所です。