スペイン文化センター=セルバンテス東京・麹町で明日6月16日から開催される「作家 ピカソ」展。
(予約制です。展覧会申し込みリンクは本記事の最後にて)
今日はその前夜ということで、18時からオンライン講演会が開催され、
2時間あまりマラガにあるピカソ美術館館長さんと日本におけるピカソ及びスペイン美術研究第一人者・早大名誉教授の大高保二郎先生による展覧会紹介・ピカソの詩作活動に関する話を拝聴しました。
ピカソは1935-36年頃、習作を除き彫刻・絵画作品制作を事実上休止し、詩人として活動。
1936年には早くも溝口修三により、ピカソの文学活動が紹介されたそう。
ただ、その事実はその後完全に埋没し、近年になって再び再評価されるようになりました。
展覧会として可視化されるのは日本では初の機会です。
イメージ先にありきで言葉が紡がれていったという彼の詩は絵画と共鳴しあい、
始まりも終わりもないような円環をたどり、
塗りつぶされた黒い部分も、塗りつぶされた絵画のように意義を持ち、
シュールレアリズムのアーティスト、アンドレ・ブルトンからも評価されたのだとか。
コロナの影響で開催が危ぶまれたものの、
ファクシミリ手稿、写真、陶芸作品がそろう意欲的な展覧会。
また、キッズ・ゲルニカという子供たちによる平和の願いを実現するコーナーも。
展示されている陶芸作品はヨックモックからの貸し出し品・・・
・・・と講演会で聞いた途端、そういえば、4年前、改築直後のヨックモックにアフタヌーンティーで訪れたとき、夥しい蘭の花にかこまれたピカソの陶芸作品を鑑賞したのだった、と思い出しました。
当時のブログのなかにも、(室内に)「ピカソのお皿や花瓶が並べてあった」と一文書いています。
なんでもヨックモックの取締役会長 藤縄利康氏のピカソ陶芸コレクションは500点にも及ぶらしいです。
(*追記:そういえば、講演会の最中、ヨックモックが美術館を作る、なんていう話もありました。サイトを見ても出ていないので、どうなるかわかりませんが。)
ヨックモック内のピカソ陶芸コーナー(2016年):
ついでにアフタヌーンティ再掲:
それにしてもオンライン講演会、超楽!
往復時間短縮、お茶を用意してご飯を炊きながら。
画面の半分にWordを出して、講演会のノートをとりながら。
(展覧会担当者がかざしているのは展覧会カタログ)
都内の大高先生とマラガの美術館館長さんがそれぞれ講演を行い、互いに質問を出し合って、
通常の講演会となんら変わらない、というより現地に赴く講演会よりも優れモノ。
講演会の順番待ちで並ぶ必要なし、席取りの必要なし、
スライド上映の際、会場だと通常暗くなってノートをとりにくいのですが、
そんな不都合は一切なし。
さらに画面の明るさを気にしてスマホのノートでメモを取るのがはばかれるといったこともなく、
PC上にどんどん文字を入れていくことができるかららくちん。
出席者も100人を数えたそうです。
今後も講演会の類はどんどんリモートで開催してほしい、と切に願います。
左が大高先生、右がマラガのピカソ美術館館長。
展覧会『作家 ピカソ』
会期(当初5月から変更):6月16日(火)~9月30日(水)まで
閉館日:8月2日(日)~16日(日)
場所:インスティトゥト・セルバンテス東京- Instituto Cervantes Tokio (セルバンテス文化センター) 麹町
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