昨夜、隣室でTVを見ていた夫が突然、「ちょっと来て!」。

 

画面をのぞき込むとそこには見慣れた風景。

 

テレビ朝日で再放送されていた米倉涼子さん主演「ナサケの女 〜国税局査察官〜」(再放送)に、目黒区役所が写っていました。

国税局という設定のよう。

 

使用されていたのはかの有名な階段部分(下は以前建築ツアー時に写した写真)。

 

 

 

 

ポストモダニズムの建築家・村野藤吾氏設計の目黒区役所は、建築的観点上見所が多く、私も建築ツアーや解説講演会に出席したり写真を撮ったり、ブログに書いたりしてきました。

 

なかでもこのフリーハンドで描いたような流れる曲線状の手すりを持つ階段は有名です。

 

下のテレビ画面で米倉さんの頭上に見える黒いバックのポスター(写っているのはマツコデラックスさん)は、むろんTVの中だけで、実際に貼られているわけではありません。

 

 

 

 

2015年に目黒区美術館で村野藤吾展が開催され、その際、村野建築の中でも現役で使用されている注目スポットとして、この目黒区役所がフィーチャーされました。

 

ロビーではジャズコンサートが行われ、解説を聞く機会もあり、私にとっては勝手知ったる場所。そこを米倉さんが闊歩していたんです。

 

 

特にこの階段部分は数年にわたり相当枚数写真に収めたので、

テレビに映った背景とポジションが似ているものを並べてみました。

 

左がドラマ内。右が2015年以来の手元写真から。

 

 

向かい合うのは柳葉敏郎さん。

 

 

 

ちょっと角度が違いますが。

 

 

エントランス。

ロケ写真では、手前左にちらりと見える部分が白い素材になっていますが、本来その部分は色タイルになっています。撮影時に白い覆いをかぶせたようです。

(右の私の写真にはタイル部分は写っていませんが)。

 

 

 

ところで、背景に写りこんでいる四角で囲った部分は、実際に区役所に常時置かれているものです。

赤い枠部分は、見えづらいですがー

 

 

 

歴代の区長さん写真かと思いきや、名誉区民の方々。

一番新しい名誉区民は・・・・王貞治さん(右の写真の右)です。

 

 

 

そしてオレンジ色の枠線部分は、昔の区役所庁舎の絵画です。

 

下の写真右はといえば、鍍金作家で人間国宝の香取正彦氏作の鐘。

階段付近に常時置かれています。

 

大師山報恩寺の梵鐘と同じものをご遺族から寄贈頂いた由。

この鐘も、「ナサケの女」に写り込んでいました。

 

 

 

こちらです。

 

 

 

初めて区役所内でこの鐘を見たときは、場違いな気がして、しげしげ眺めたものですが、今では慣れてしまい、なんら違和感を感じることもありません。

 

 

そして番組を見てみて、この鐘についてあることを発見。

ここ数年のうちに、4階から3階に配置換えがあったようです。

 

左の写真は2015年のロビーコンサート時のもの。(鐘は4Fに置かれています)

中央が昨夜のテレビ画面。(鐘は4F)

右が今年の建築ツアー時のもの。(鐘は4Fから撤去され3Fへ・写真では隠れていますが)

 

 

 

 

 

目黒川や目黒区青葉台あたりはテレビ番組のロケでしばしば使われますが、こちらの区役所が使われたドラマは、初めて見ました。

 

都内ロケ地の王様は、私の感覚からいうと(私が見るドラマの中でヒット率が多いものは)、ダントツで東京国立博物館です。

この週末もなにかのドラマでばっちり写っていました。

 

 

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建築を見る2 村野藤吾の視線マジック