戦前から今に至るまで、
世界のアスリートたちを向こうに回して戦った日本人たちや、
それを裏で支えた人々の
汗の軌跡がうかがわれる展覧会が開催されています。
九段下の昭和館の特別企画展、
「日本のオリンピック・パラリンピック ~大会を支えた人々~」展です。
(入場無料)
私が本展を見に行ったのは、千鳥ヶ淵のお花見の時期のこと。
本展覧会、及び鳥ヶ淵お花見のことは、ブログに書きそびれました。
でも開催が5月6日まで、と気づき、急遽今頃ではありますが、記すことに。
展示のスタートは日本人が五輪に初参加した1912年ストックホルム大会。
この部分は、NHK大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』と
一部重なります。
そして日本人初のメダル、初の金メダル、女性初のメダル、、、
など、記録に沿って資料が並びます。
前半展示で特に感動したのは人見絹枝さん。
100m走に出場したもののメダルを逃し、これでは帰れないと、
急遽800m走に出て見事銀メダルを獲得した、とのこと。
日本人女性初のメダリストになりました。
(享年24歳、というのがなんとも無念です。)
そのほか、幻の東京五輪(1940年)に関するレアな展示もありました。
下は看板の写真ですが、右の着物は東京五輪をあしらった
子ども用の着物です。(1936年頃)
1940年東京五輪向けのポスターなどもあり、広告関連も出来上がっていたのに、
日中戦争など日本への諸外国からの風当たりの強さからオリンピック招致を返上し、
開催は消えた、と理解します。
そのあたりの返上の経緯だけは、本展では歯切れが悪く、オブラートに包まれていました。
皇室への配慮なのかな、などと思わず邪推してしまいます。
昭和館というのは昭和期の人々の苦労を今に伝える目的で建てられたと聞きますので、
この辺りの事情を詳しく説明してもよかったのでは、と思います。
そのほか、1960年の東京オリンピック関連の創作物(ポスターなど)からは
戦後復興の気運や熱い思いが伝わります。
昭和館「日本のオリンピック・パラリンピック ~大会を支えた人々~」展サイトはこちら:
https://www.showakan.go.jp/events/kikakuten/index.html
昨日触れた五島美術館の「春の優品展」同様、5月6日までの展覧会です。
さて、季節外れですはありますが、
ここで昭和館で五輪展示を見たときの千鳥ヶ淵の様子を少し。
↑この桜のアーチを見るたびに思い出すのが
フランスのアルデッシュ渓谷。↓
ずいぶん前のことですが、
緑表紙のミシュランガイドに風光明媚マーク付きで推奨されていたので
南仏旅行の折りに、ちょっと足を延ばして行ってきました。
浸食か何か、地理的作用の結果なのでしょう。
つづら折りの道を渓谷沿いに走ると、えぐれてできた自然のトンネルが現れます。
荒々しくダイナミックで、ちょっとシュールな光景です。
話は戻って:
千鳥ヶ淵は、毎年行かないと気が済まない場所。
毎年場所でも風が、光が、ボートが、咲き具合が異なるので、
いくら行っても飽きません。
まだ満開の手前でした。
この数日後に満開を迎えたようでした。
花々の照り返しのせいなのか、深みのある水面の色が気に入りました。