即位礼正殿の儀を間近に控え、京橋のLIXILギャラリーで
特別展「宮内省御用達 川島織物と明治宮殿」展が開催されています。
今回本展解説で初めて知ったのですが、川島織物って
宮内省御用達”国内”第一号だったのですね。(1891年)
正確には、御用達の第一号、二号は国外の調達先だったため、
第三号の二代川島甚兵衞氏が国内として初、ということになります。
川島織物は、明治天皇のお住まいである明治宮殿の内装織物も
一手に引き受けたのですが、1945年の空襲で建物とともに喪失。
けれど、織物の原画のほうが屏風として残されており、
(今尾景年作の綴織壁掛原画「富士巻狩」)
このほどLIXILにて展示されているのです。
写真撮影禁止なので手元のポストカードの写真を掲載しますが、
ご覧の通り、躍動感あふれる狩りの図です。
贅をつくした当時の宮殿の内部を想像する ひとつの手がかりとなります。
原画のほか、習作もほんの少し展示されており、
写実にこだわった今尾景年の姿勢がうかがわれます。
LIXILギャラリーの同じフロアでは、以下の展覧会も開催中。
こちらは写真撮影がOKで、
会場内には様々な雑誌の記事や資料が並べられていました。
ちなみに、学習院大学資料館で開催中の「華開く皇室文化」展(5/18まで)の
フォトスポットのバックに使われているのが、明治宮殿正殿です。
大日本帝国憲法の発布式が執り行われた場所でもあります。
川島織物といえば思い出があります。
新入社員の頃、VIPが来日するたびに、
川島織物のギブアウェーを用意するよう上司から依頼が来たたものです。
宮内庁御用達というお墨付きの品質ゆえのチョイスだったのでしょう。
掲示されていた宮内庁御用達認定年表がなかなか面白かったです。
ヤマサ、虎屋など、今も残る老舗も多々ありますが、すでに消滅した屋号も多く、
川島織物のように長きにわたりサバイバルするには、
それ相応の努力が不可欠だったことでしょう。
この「川島織物と明治宮殿」展。
今尾景年の原画の細密描写がすばらしく感嘆しきりでしたし、
解説・年表などじっくり読むとなかなか為になりました。
とはいえLIXILのギャラリー展示自体はこじんまりとしていて出品点数は限定的なので
これのみの目的で京橋まで行くのはしんどいかと思います。
私はLIXILギャラリーと皇居東御苑のつつじを梯子しました。
(歩くと結構な距離ですが、”目指せ毎日歩数計1万越え”の私にはぴったりでした。)
今ちょうど見ごろです。
むせかえるほどのつつじ。
これを見ないと春が越せない?というほど
我が家ではこの時期、東御苑つつじ見物が毎年の風物詩になっています。
企画展 宮内省御用達 川島織物と明治宮殿
日程 2019年4月20日(土) ~ 2019年6月25日(火)
場所 LIXIL ギャラリー (LIXIL GINZA2F/京橋)
東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル
時間 10:00~18:00
休館日 水曜日・5月26日(日)
入場無料
https://www.livingculture.lixil/topics/gallery/g2-1904-kawashima/