●名園を築き「椿山荘」と命名した山縣有朋の感慨を刻んだ記念碑はココ

●そばにある筆塚は、出版美術家連盟が芭蕉を偲びつつ築いたもの

●芭蕉の住まい「芭蕉庵」は椿山荘のお隣に

●様々な種類の椿咲き乱れる椿山荘

●伊藤若冲作の下絵に基づき制作された羅漢像20体

 

 

文京区にある椿山荘は、結婚式場として有名で、

細部に目を向けることは少ないのですが、お庭を散歩していていくつか気づいたことがあります。

 

まず、この地を購入して造園させた主は

内閣総理大臣経験者・山縣有朋公爵であったこと。

 

当時の敷地面積は約2万坪。

もともと「つばき山」と呼ばれていた場所だそうで、

「椿山荘」と名付けた人こそが山縣有朋だったのです。

 

その時の山縣の感懐を刻んだ記念碑が椿山荘の庭園内にあります。

 

 

 

... 記念碑は庭園内のちょっと奥まった場所にあり、
目印としては、
上の写真のとおり、後ろの赤い建物が
こういう角度で見える位置です。

 

碑の文字を追っていくと、
末尾に、山縣の名前を発見。

山縣有朋は、
「椿山荘主」、となっています。

 

 

 

そしてその名のとおり、よく見ると、園内には椿であふれています。

 

ただ割いているのみならず、係の方が施したであろう、

こんな洒落た演出も。

恵比寿様+椿の競演。 恵比寿様はよく見るとー

 

 

 

 

丸々と太った鯛を抱えています。

 

 

 

ちなみに愛らしい福禄寿の方はー

 

 

左手に亀

 

 

 

椿の演出は、さらに羅漢像にも及びます。

 

2017年のブログに書いた通り、椿山荘庭園には、

伊藤若冲の下絵をもとに制作された五百羅漢のうち、

20体ほどの羅漢石が置かれているんです。

 

 

 

もともとこの羅漢様は、京都の石峰寺にあり、うち20体ほどを

大正14年頃、こちらに移してきたんですって。

園内の解説書の受け売りですけれど。

 

私のお気に入り羅漢像は、この方!

なんだかおおらかなお顔がよいなぁ。

 

 

 

 

 

そうそう、そばには筆塚もあって、

出版美術家連盟の方々が除幕式に参加され、

「筆に明け筆に生涯を送る私達の伴侶を芭蕉ゆかりの地に祀り 筆塚とす」

と説明文に記したそう。

 

確かに、石には「筆」という緑の大きい文字の下に白地で

「・・・出版美術家・・」の文字が読めます。

 

 

 

「芭蕉ゆかりの地」という一文を見て、思い出しました。

椿山荘の並びに「関口芭蕉庵」があることを。

この地に住んでいたことがあるのですね。

 

 

 

 

そして名前の通り、椿の種類の豊富なことといったら。

 

改めて椿だけに着目してみると、種類も実に様々。

ネームカードがついているのがありがたいです。

 

 

 

 

 

 

 

圓通閣(旧竹林寺三重塔)のまわりには梅や雪吊りも。

 

 

 

池の中には黄金の鯉。

わお!

 

 

 

そうそう、椿山荘が第3・9代内閣総理大臣なら、

第63代内閣総理大臣細川護熙氏の揮毫による看板をすぐそばで見ることができます。

 

すぐお隣の肥後細川庭園です。

以前のブログですでに触れましたが。