有楽町にある出光美術館もそうなのだけれど、

大企業がバックアップする美術館というのは、余りがつがつしていなくて

ゆったりとした雰囲気が好き。

 

そのゆったりというのは展示場の広さといった物理的な話ではなくて、

展示物の見せ方・解説の内容・PR手法とか、

係の方たちとか、受付の雰囲気とかに反映され

総合的な印象として跳ね返ってくる、と思っている。

 

 

神谷町にある菊池寛実記念 智美術館も、

京葉ガス会長の故菊池智さんが設立した企業系の美術館。

 

いつ訪れても、自由な気風に満ち溢れていて、

気分よく鑑賞できる。

 

 

実はこのほど初めて知ったのだけど、
美術館には助走期間があったのだとか。


まずはニューオータニにギャラリー「かんどり(「寛土里」と書く由)」をつくり、
1983年には、NYスミソニアン自然史博物館で展覧会を開催、

続いてロンドンのV&A(ヴィクトリア&アルバートミュージアム)でも。

その後ゲストハウスというかたちで作品を展示して、
2003年、菊池寛実記念 智美術館が開館した。


開館以降同館では、現代工芸を中心とした企画展が開催され、

2年に一度、メセナ的なビエンナーレも催され、

次世代作家にモチベーションを与えている。

 


館内・外装ともに、都内では比類なき美しさを誇り、

篠田桃紅さんの書やガラスの手すりなど凝った演出に加え、

螺旋階段や展示場の流麗な曲線使いなど、

洗練されたスタイルが目を引く珠玉の美術館。
 

 

*写真撮影は内覧会の折りに許可を得ています。

 

 

 

これまでも智美術館のことはブログに書いてきたので

今更感はあるものの、

最新の展覧会を見て、

菊池智さんという実業家コレクターの偉大な足跡を改めて感じたため、

展覧会感想の前段階として、こんな前書きを書いた次第。

 

 

 

 

ちなみに私が初めてこの美術館を訪れたのは

いつだったのか思い出せないのだけど、

少なくとも2008年には来ていたようだ。

 

手元にリーフレットが残っていた。

(年末恒例の断捨離でも、こういうのはなぜか捨てられない)。

 


最初訪れた頃は、菊池寛実記念 智美術館って、小説家の菊池寛の関係?
などと意味不明なことを思っていた私。


現代陶芸の支持者菊池智さんのコレクションを展示するために2003年にオープンした美術館で、
父上の菊池寛実氏の名が冠せられていると知ったのは後のことだ。