先日来書いてきた渡辺省亭の同時展示企画。
中でもお勧めは、加島美術。
加島美術では前期・後期の展示替えが一部あり、
出品数も30近くと大規模だ。
個人所有が多いので、これだけまとめて見られる機会は少ないはず。
また、展示手法もしゃれている。
2Fは和室仕立てだし、
洋間風の部屋での展示もある。
これまで見たことのない美人図も。
桜の下で談笑する女性2人の結った髪の毛は
なんともつややかで、浮世絵の黒とは明らかに
一線を画している。
聞けば、省亭は従来の日本画とは異なる
画材も使用したそう。
下の写真の右は山種美術館所蔵《蝶に牡丹》。
滲んだ花びら部分には一説では水彩絵の具を使ったのでは?
と言われているのだそう。
水墨画風、花鳥画、美人画など多様で、
動物などはどちらかというと対象を突き放して
描いている印象を受けた。
極度の愛着・思い入れとか、
或いは
若冲のように何か取りつかれたような執念とかは感じられず、
どこかニュートラルで、
見れば見るほど「これまでに見たことのない絵」感を
抱くのだった。