三菱一号館美術館でナビ派展が始まった。
 
ナビ派というのは印象派やキュビズムのように
明確な方向性を感じにくく、どこか捉えがたいイメージがあった。
 
強いて言えば、
輪郭が”朦朧体”的で模様がごちゃっとした画面、
という印象。
どこかもやっとした感じ。
 
 
ところがこのほど訪れた三菱一号館美術館で
ナビ派に開眼。
特にモーリス・ドニをすっかり”見直した”!
(とくに彼が描く瞳に惚れた。)
 
 
オルセー美術館のどこに一体これほどの名品が隠されて
いたのだろう?
と思うほど、見応えのある絵の数々。
 
 
このほど青い日記帳×「オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき」
“ブロガー・特別内覧会”
に参加させて頂き、ゆっくり堪能させて頂いた。
 
 
個人的にまず嬉しかったのはポール・ゴーガンの
<黄色いキリスト>のある自画像。
 
*写真は、内覧会の折りに許可を得て撮影しています。
 
 
 
90年代のブルターニュ旅行でポンタヴェンを訪れた際、
この黄色いキリストを見に行ってきた。
 
当時インターネットはなく、旅程を組むのに苦労した記憶がよみがえる。
 
現地のツーリストインフォメーションのファックス番号を
ミシュランガイドで探しだし、ファックスで依頼してバスの時刻表を取り寄せた。
 
バスの便は半端なく悪くて、2時間に1本ぐらい。
綱渡りでドキドキしながら乗り継いで、
なんとか1日にポンタヴェンとラ・ロシェルを組み込んだのが懐かしい。
 
この教会に行くまでの小路には、
トウモロコシがざわざわ生えていたっけ。
 
 
 
もうひとつ個人的に親近感を持ったのは
モーリス・ドニ。
 
サンジェルマン・アン・レに住んでいたそう。
 
なつかしい。卒業旅行で訪れたパリ。
シャンゼリゼで買い物をするというみんなと別れ、
ひとり郊外へ行くことにした。
 
思いつきの突発行動だったので、行く当てがあったわけでもなく、
とにかくRERに乗って、名前の響きに惹かれ、
サンジェルマン・アン・レまで行った。
 
寒い日で、駅そばの林には真っ白い衣装に身を包んだ親子が一組散歩をしているだけ。
寂しい冬枯れの景色は忘れがたい。
 
そばには考古学博物館があり、ふらりと入った。
 
 
ところが今回知った。
この場所にはモーリス・ドニ美術館もあったらしい。
知っていれば絶対行っていた。
 
Google mapで今確認したら、駅からもそれほど遠くはない。
でも、地図ももたず、ぶらり歩きしただけだったので、
これは見つけられなかった。
 
以下は、ドニの
「テラスの陽光」。
原題は
Taches de soleil sur le terrasse.
日差しがダマになって飛び跳ねている感じが出てる。
 
 
 
ということで個人的な三菱一号館体験。
 
もう少しニュートラルな内容で続きを書くつもり。
 
 
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美術館: 三菱一号館美術館

展覧会: オルセーのナビ派展: 美の預言者たち ―ささやきとざわめき

会期:    2017年2月4日(土)~5月21日(日)
開館時間:    10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:    月曜休館(但し、2017年3月20日、5月1日、15日は開館)
http://mimt.jp/nabis/