先月エントリーした慶応三田キャンパスの話の続き。


上野駅の頭上にそびえる作品《自由》でおなじみの猪熊弦一郎氏。
同氏が制作した別の作品を、意外な場所で見ることができる。

慶応三田キャンパスの生協食堂だ。

タイトルは、《デモクラシー》。
1949年、日本の将来が混とんとしていた時代の作品で、
2枚が向かい合って掛けられている。





山食に比べると、生協の学食はいたって女子向き。





上野駅で見られる猪熊作品はこちら:
http://tourdefrance.blog62.fc2.com/blog-entry-2325.html


それから、以前Diaryに書いたとおり、
旧図書館の方には朝倉文夫の彫像も。


その他、イサム・ノグチの作品が、そこかしこにある。
代表格が、建築家谷口吉郎氏との共作ノグチ・ルーム。
内部見学をしたけれど、写真公開はNGだ。


内部はいたってモダンで、随所に意匠的な工夫が施され、
吹き抜けの階段をはじめとして曲線が多用されている。

家族団らんの場のようなスペースあり。
玄関の上り口のような造りあり。

和の素材も用いられるなど
日本民家と、曲線使いの西洋家屋の折衷的雰囲気をたたえていて、
変化に富んだ空間だった。


とりあえず外観だけ。
中は採光もよく、気分も最高。




校舎ロビーには、イサム・ノグチの2つの彫刻。
《若い人》。




こちらのタイトルは、《学生》。





庭にも1点。
左手寄りに見える輪の形の彫像の題名は、《無》。





といった具合に、箱根の森彫刻美術館よろしく
なかなか切れ味鋭い作品がキャンパスのあちこちに散見される三田キャンパス。

 


とはいえ、楽しいことが満載のキャンパスライフの中で、
こうした地味な美術鑑賞をする学生さんは、ほとんどいないのではないか
と思われるわけだけど。