きのう7月27日は
12年前に亡くなった母の誕生日でした
その母の死に方が、とても美しかったので
誕生祝いにお話ししたいと思います
ある12月の寒い日
母は自宅で亡くなりました
ベッドのなかでふとんを掛けて
仰向けに寝ていたので
隣りで寝ていた父も気付きませんでした
いつもの時間に起きてこないので
父が様子をみにいくと
母は息をしていませんでした
父は救急車を呼んだ電話の受話器をはずしたまま
いっしょう懸命に心臓マッサージと
人工呼吸をしていました
母の口をあけてみると
歯の裏側すべてに血がついていました
もうずいぶん前から息をしていなかったようです
救急隊員と警察の人がやってきました
自宅での死亡は解剖しなければならないそうです
母はドラマでみるような黒い袋に入れられて
運ばれて行きました
私は警察の人に伝えました
「明け方5時くらいにトイレに起きた時
母がトイレに入ってる音を聞きました」と
しばらくして解剖の結果がわかりました
母の死因は心筋梗塞
死亡推定時刻は午前5時から6時
元気だった頃の母はとても勘がするどく
まるで刑事のようでした
わたしが隠し事をしてもすぐに見破りました
ですから母は自分の死ぬときを感じたのでしょうか
トイレをすませた母の死は、ふとんの中に失禁もなく
喉をつまらせた血を一滴もこぼすことなく
ただふとんをかぶって、じっと寝ていただけでした
亡くなる半年ほど前から
母は独り言のようにこう言っていました
『もうじゅうぶんやったな、商売もやるだけやったな
母ちゃんは今がいちばん幸せ』
破天荒な母は20代のころから
自分のやりたい商売を続けてきました
もうじゅうぶんに
人は人生を後悔なく生ききったとき
こんな風にきれいに亡くなれるのかもしれません
だから私は
「生ききる」ことにこだわりたいです
母からの命をかけたメッセージを伝えるために

