舟越保武さんの作品を紹介します。
直彫りによる石彫の第一人者で、25年の第14回新制作派展出品作の《アザレア》は、文部省に買い上げられたそうです。
16年郷里盛岡で松本竣介と二人展を開催しました。
二人の交友は、23年の竣介の死まで続いたそうです。
25年盛岡カトリック教会で洗礼を受けました。
この作品の題名は「聖ベロニカ」という題名になっていて、
聖ベロニカ、モデルになっている人はカトリック教会・正教会の聖人でした。
エルサレムの敬虔な女性で、彼女は、十字架を背負いゴルゴタの丘へと歩くキリストを憐れみ、額の汗を拭くよう自身の身につけていたヴェールを差し出したそうです。
この女性を彫刻として作り上げたのは意図がはっきりとしていて、心のそこからの心情までもがこの作品となって現れてきているような印象を受けました。
この作品の中でそう感じた点は、布だとしても髪の毛だとしても同じような質感での表現ではなく、しっかりと区別をつけながらも質感を変えて表現しているのが面白いなと感じたとともにいい作品になっている魅力的な部分になっていると感じました。
こういった彫刻作品はリアルだからこそ人の目が厳しくなったりとしたりするのかなと思います。