秋野不矩さんの作品を紹介します。
秋野さんの作品の特徴は構図の決め方に特徴があるなと感じました。

構図は作品を描く上で大切なものとなるとおもいます。
その1枚のキャンバス・紙の中にどんな要素を入れたら美しく仕上がるかとかを考えるのは結構楽しいとおもいます。
また、その美しく表現するためにはそのモチーフとなるものをいかに美しく表現できるかというその作者自身の思いが伝わってくるので作品を見るときはそういうところからも感じ取ってもらえたら面白いのではないかと思います。

では、この作品の構図では、多分この木は梅の木だと思いますが、梅の花一輪を大きく描くのではなくこうやって少し引いたところを描くのにも意味があると思います。
大体の人はそうやって花一輪をアップして描いても梅の花だ!ってことはわかりますし、梅の花は木に芽が付き咲いてるのかも知っています。
しかし、なぜこの作品ではそういうことをしてないのかというとこうやって全体を描くことによって大きさがわかります。
一輪の花だけを描くこともありますが、秋野さんにとってこの花は全体を持って美しいと感じたからだと思います。

この作品の中に大きさがわかるものとして、この作品の中に写り込んでいる鳥が示していると思います。
この鳥の大きさと幹の太さや花の大きさから全部の要素からそれぞれの大きさも読み取ることができるので、構図というものは大切になるんですね。



この作品は、どの場所かというのは私もわかりません。
きっと実際行ったことのない場所です。
それがきっと秋野さんの狙いです。
明らかにこの作品はどこかの建物の廊下を描いています。
絵は言葉にして残す方が断然難しいのでやっぱり画面で思いや場所の説明をしなくてはいけません。

この作品の中でこのスペースの魅力を感じとるというのも見ている人が感じるべきものなのではないでしょうか。
感じることやものは人それぞれだと思いますし、それはあってるあってないなどはなくて、そういう楽しみ方がありますということなのかな。
私がこの作品を見て感じたことは、この作品の左部分には、柱が幾つか立っているように見えます。
また、その柱によって廊下におちる光や影の形が浮き出てきており、その表現が一番最初に目に入りました。
この場所を美しくしているのは、この光と影の取り込み方を構成している柱のおかげなのではないかな〜なんて思いました。



作品一つ一つに対する思いが素敵ですね。