私の仕事歴は追々書いていきますが、公演が迫っているボニ・プエリのことを伝えたいと思います。

 

今後の仕事歴で伝えたいと思いますが、それまで私がかかわってきたアーティストのジャンルは様々で、たまたま自分の会社で招聘し、聴いてとても感激したというものから、直接ご自宅にもいって何年も担当した方もいます。会場で写真を一緒に撮っただけの方や、食事を一度ご一緒させていただいただけなど様々です。

 

どなたでも知っている有名な方もいれば、あまり知られていないけれど知る人ぞ知るというような演奏家もいました。でも仕事を始めた当初から多くの素晴らしいアーティストに関わることができたことは、その後の私の財産になっています。

 

 

そして子どもの合唱団(海外公演などを行っている合唱団)の仕事もたくさん経験していましたが、これも様々で、実力は申し分ないけれど、信じられない要求をしてきたり、ちゃんと教育されているの?と思うほど、態度や楽屋の使い方がひどかったり。また心に響いてこなかったり、指導者もとてもいい方だけど、ステージで惹きつけるものがないような合唱団もありました。

 

でもヨーロッパは合唱文化が根付いていて、その国その国の音色と、よい意味での子どもの溌溂とした声と表現を感じることができ、“素人の子どもの合唱団”というものとは違うものを、この仕事を通じて知ることができました。

 

そのような中でボニプエリは自分が聴いて選んだものではなく、来日するまで生で聴いたことがなく、「ブルンジバール」の公演に奔走したものの、その他の営業はすべて別の担当者が頑張って決めただけという中、どんな公演になるのか?と思いながら2000年12月に日本での公演がスタートしたのです。

 

 

成田空港に来日した時、全員がおそろいのユニフォームとジャケット、帽子をかぶり、全員そろって出口から出てきた時にはびっくり。まずとても礼儀正しいことに驚きました。

 

ホラークさんからまずは私たちに挨拶。日本に招いてくれたことにお礼、そして子どもたちが拍手をしてくれたこと。今までこのような合唱団はみたこともないと新鮮な気持ちでした。

 

ホラークさん曰く、彼ら子どもであってもアーティスト。

 

日本のマネージメント会社やお客様からお金をいただいてコンサートをしているのだから、それなりのことを求められ、親にも誓約書にサインをしてもらっていると。例えば一回遅刻をしたらイエローカードとか。それが何回か続くようなことがあればレッドカードで帰国させられることもあると(今までそのようなことはありませんでしたが)プロ意識がすごいなあと。子どものメンバーは30-32人なのですが、大きい子(20歳以上の)がリーダーとなって4人ぐらいのグループになっているのですが、プライベートの時間も基本的にはそのグループで動くし、集合した時の人数の点呼では、そのリーダーが自分のグループをチェック。すぐに確認ができるのです。初来日の時ではありませんが、寝坊して朝バスに遅れた子がいたとき、ホラークさんやリーダーからマネージメント会社の人と旅行社の人にも謝るように言われ、私たちが謝罪をされたこともありました。

 

楽屋も本当にきれいに使うし、主催者さんにも挨拶や感謝をきちんという子たちで、その徹底ぶりには本当に驚かされました。

*2000年の公演プログラムより、スケジュールと日本公演用にボニ・プエリが制作してきたCDのジャケットです。