部屋へと帰って来たら、
鞄の中やら何やらまたいろいろチェックをされる。


俺のトランクスがかわもっちゃんに見つかった。

「だぼだぼですね」

「寝る時用です」

(まあな、これはカモフラージュ用で、
本当はいつもは寝るとき裸なんだけどな。
で、雅紀と…ムフッ♡)


「じゃあ、作りましょうか夜食」

そう言われてスパムエッグを作り始めたはいいけど、
はぁ~ 俺苦手なんだよなあ…


(不器用だなんだ横からあれこれツッコんでくるけど、
当たり前だろ~!
いつも雅紀が作ってくれるんだ。
雅紀の手料理はなあ、
栄養バランスや彩りもちゃんと考えられてるし、
なにより最高に旨いんだぞぉ(デへへ)


でも、そうか。いつも雅紀に作ってもらってばっかりで
申し訳ないし、
今度俺が作ってやりたいな…


そんな事を考えながら、
やっとの思いで出来上がって。




いざ夜会スタート。



デビューとか、やめようと思った話、
15年やってきた中での失敗談なんかを話す。


「半年デビューが遅かったらやめちゃってた」

(…もしあと半年デビューが遅くて嵐やめてたら、俺、
雅紀と今こんな風になってなかったんだよな。
嵐やめなくて本当によかった…)



「あの日ハワイに行ってなかったらとか、想像したりしない?」



ハワイに行ってなかったらそもそも嵐になってなくて、
雅紀と出逢う事すらなかったんだもんな。

そんなの絶対嫌だ!考えられないし考えたくもない。
雅紀と出逢ってなかったらなんて…


「怖くてできないな」

「怖くてできない??」


雅紀の居ない俺の人生なんて…
「怖いよそんなの…」


ああ、雅紀は今頃どうしてるんだろう。
ちゃんと部屋に帰ったよな。
時間も時間だし、もう寝ただろうな…

愛しく可愛い寝顔を思い浮かべながら、
その後しばらく当たり障りのない話を続ける。


パタパタ
トントン!


ん?誰か来た?


...もしかして雅紀?!
え、アイツなんだよもう~
俺に会いたくて寂しくなって来ちゃったのか?
そんで
「ごめんねしょうちゃん。寂しくなって来ちゃった♡」とか
可愛い事言うんじゃないだろうな~


…ダハッ!!ダメだダメだ!


ニヤける顔を抑え必死で真顔を作って、

「ちょっと見てくる」って、
いそいそとドアを開ける。


まさ…
ドアを開けて思わず言いそうになったら。



…リーダーと松潤が満面の笑みで部屋に入ってきた。


なんだ…
俺今あからさまに残念そうな表情になってるかも。


いや、嬉しいよ?
こんな時間にわざわざ俺の顔見たいからなんて言って
来てくれてさ、
嬉しいよ、嬉しいんだけど。


雅紀じゃなかったのが残念で、
抱きついてくるリーダーを
「わかったわかった」って
軽くいなす。


今俺に抱きついてるのが雅紀だったらな…
ああ、雅紀…会いたいよ…


ほんの2,3時間前まで一緒にいて抱き合っていたのに、
もうこんなにも会いたくて、その肌に触れたくて仕方ない。




リーダー達はすぐ帰って、そのあと、
これまでの15年間の思いを語ってくださいと言われ
ベランダに出て、
ホテルのプールを見下ろしながら、この15年に思いを馳せる。



...あっという間だったな。
いろいろあったけど、本当に嵐でよかった。
雅紀に出逢えてよかった。本当に、本当に…



『いや、本当に、15年経ってハワイに来てコンサートやって、
思ったのはただひとつ、
「人生ってわからない」』


…ああ、そうだよ。
嵐になって。雅紀と出逢って。
男であるアイツをまさか好きになるなんて、
まさか恋人同士になるなんて。
誰が想像できただろう。


でも俺は、雅紀を愛してしまったんだ。



「人生ってわからない」

もう一度心の中でつぶやきながら、
きらめくハワイの夜の景色を眺めてた。