unexpected 8


「あの、櫻井さん、次はどこに行かれるんですか?」

「服を買いたいんですよ。見立ててもらえないですか?」

「あ、はい!僕でよければ」


「僕の大学の先輩がやってるショップがあって、

ここ数年ずっとそこで買ってるんです。

MASAKIさんならきっと
素敵な服を見立ててくれるんじゃないかって…」


「…いえ、そんな。

でも僕、わりと普段はこんな感じですよ?結構シンプルな…

それでもよければぜひ。」


「じゃあ、ぜひお願いします。」

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「いらっしゃいませ!

って、…おお!櫻井!久しぶり。元気だったか?」

「はい、松岡先輩、しばらく来られなくて…すみません。

DMもいただいてたのに忙しくてなかなか…」


「ハハハ、何言ってんだよ。そんなの気にすんなよ。

おまえにはお客さんとして接してんじゃねぇんだから。

それに、もう大学の先輩後輩の関係じゃねえだろ?

いい加減、先輩呼びやめろよな。まったく。


...あ、そちらのお方は…お連れさん?


はじめまして。ご来店ありがとうございます。

店長の松岡です。

今後もよろしくお引き立てください」


「いえ、こちらこそ。素敵なお店ですね♪」


「ありがとうございます。ゆっくりご覧下さいね。

櫻井もゆっくり見ていってくれよ。

何か気になる事あったら声かけてくれたらいいから」


そう言ってまたカウンターに戻って何やら仕事を始めた。


MASAKIは楽しそうに店内をあちこち見ている。


「…櫻井。」

松岡先輩がひそひそ声で俺を手招きしながら呼んでる。

…なんだろう?


「はい、何でしょう」

「…彼」

楽しそうにラックや棚を見て回ってるMASAKIをそっと差して
松岡先輩が。


「あの人…めっちゃ綺麗だな。櫻井の恋人か?」

なんて訊くから。


「ち、ちがいますよ。何言ってんですかもう!」


「違うの?すげー綺麗だしお似合いだったからさ、

てっきりそうなのかなって…」


「だって、男性ですよ?!そんなわけないじゃないですか。」


「いや、そんなのわかってるけどさ、

もう、男性とか女性とかそういうの関係ないレベルで
綺麗じゃん。

男が惚れてもおかしくないと思うよ?

俺に恋人いなかったら、

男でも本気でアタックしようと思うぐらいだもん。」


「…同僚の松本も同じ事言ってました。」

「その、松本って、男?」

「はい。」


「だろ?やっぱそうなんだって。

男とか女とか関係ないんだよ。

いいもんはいい。好きなもんは好き。そうだろ?」


「…ですよね」


なんてこそこそ話してたら。


「櫻井さん!これなんてどうですか?」
弾んだ声が聞こえた。