セミが死に夏は終わりを告げた
セミの亡骸のそばで少年は
土のなかにいたときが幸せだったね、と
優しくよびかけた

土の外の世界は過酷で
命をかけてセミは種を保った
そうだね
土の中は平和だったかもね

今、樹木が葉を振り落とし
冬が山を覆う
ひっそりと命がひそむ冬

季節はめぐり
命も廻る
その輪の中に私もいる