誰かのために…という経験。 142 | 心臓病児と家族のオフロードレース

心臓病児と家族のオフロードレース

お腹の赤ちゃんの心臓がおかしいと言われてから、ガタガタ道のオフロードレース。途中棄権できたらどんなにいいか…
しかし、棄権をすることは出来ない。命の灯火を消してはならない。ならば思い切り輝かせよう!!家族の想い。幸せと葛藤。そんな伝えるべき体験を!!

(ナンバリングされたものは、病気がわかったその日から、
怒涛の経験、葛藤、戦い、生きる力、そんな生き様を掘り起こし記録しています。
この経験がどなたかの役に立つようなことがあれば嬉しいです。)

入院を繰り返しながら、長い月日がたった。

念願叶って入ったワークショップも、入院でなかなか参加できず、

病院や自宅で練習して、
本番日だけ、病院から外泊許可を貰って出演することを繰り返した心魂プロジェクトさんの公演。

病児障害児とそのご家族にデリバリーパフォーマンスを届ける団体。

病児障害児である娘が、他のご病気や障害を抱える人のためにパフォーマンスする。

誰かのために、誰かの役に立てる喜びを知った。

学芸会も経験したことのない娘は、はじめて舞台に立った。

姉弟二人の元気な歌声が聞こえてきた。

同じ舞台に立ちながら、私は耳だけ傾けて二人を見守った。

その姿は堂々とし、その場を楽しみ光り輝いていた。

コミュニケーションが苦手な彼女が、満面の笑みで自分からお客さんに握手をしに向かっていっていた。

感動的な瞬間だった✨✨

こんな一面も持っていたなんて…

今まではして貰うばかりだった彼女が、今は誰かのために動くということに喜びを感じている✨✨

集団生活経験が希薄だと、たまにしか行かない学校では優しくしてもらうことばかりだった。

みんなが囲んでくれて、立っているだけでみんなが帽子をとったりカバンを運んでくれたり立っているだけで、事が済んでしまう。

人に親切にするような場面も生まれなかった。

他人に期待されることもなかっただろう。

何かが始まった予感だった。

水を得た魚のように、全身で楽しんでいた。

勿論、体はしんどい。
自分の出番以外の公演は見ていたくても見ていられない。ダウン。

控室に戻り、休憩させる。
座位がしんどい。

打ち上げというものに出たくて、
頑張ってる。

休むを頑張る。

念願の打ち上げでは、はじめての夜更かし。
初めての、他の人との食事会。

私は気が気じゃない。
誰が咳をしてないか目を見張る。

安全そうな席を探す。

そもそも、冬に外に出る事自体、我が家には大大大チャレンジ。

マスクを外すなんて、恐怖そのものだ。

それなのに、よく人前でチャレンジしたと思う。

友人家族がでているこの舞台にも、怖くて観にいけなかったのに、よく私達は出ている。

凄い勇気だった。

そんな本番の輝かしい二日間を過ごし、再び現実の世界へ。

病院へと戻った。

現実………。

シンデレラのように、一変する世界。

けれど…

病と向き合う自分。
舞台に立つ喜びを知った自分。

どちらも、本当の姿だ。

苦痛を知っているから出来る、私達にしかできないパフォーマンスだ。