夏の道 夏の道を走った 島を横断するあの道、森を抜ける 一面に広がるコバルトの海、最初の征服者たちがやってきた海岸 風が強い、カリブ海を吹き渡ってくる バイクを降りる。希薄だ。どうしてだろう 大西洋岸はすべてが希薄だ。青い海、植物、魚たち、珊瑚。 ジャワ海のあの濃密さはない。 シャム湾を吹き抜ける熱い風はない。 インド洋の混沌としたその深さはない。 カリブの風は今を葬ったまま、白い砂を舞い上げる。 過去の風が吹く。ここで、大気は渦を巻かない。 夏の道を走った。