おはようございます!週末どちらへお出かけですか?
花見のかたもいらしゃるでしょうね~
このころになると「はなさかじじい」の話がおもいだされま~す。
むかーしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んで居ったそーな。
それはそれは人のいい2人だったが、あいにく子宝に恵まれず寂しい生活をして居った。
ある日のこと、おじいさんが散歩をしていると一匹の犬が怪我をして倒れていたそうじゃ。
おじいさんはかわいそうに思い、家に連れ帰り犬の怪我が治るまで面倒を見てやったそうじゃ。
しばらくたち、すっかり怪我の治った犬を逃がしてやろうとしたが犬はおじいさんとおばあさんにすっかり懐いてしまい、出ていく気配がない。
仕方ないのでその犬に「ぽち」と名前をつけて飼うことにしたそうじゃ。
しかし、それまで2人きりだからこそ生活してこれたものが犬一匹とはいえ、食い扶持が増えたせいでいろいろ苦しくなったそうじゃ。
それでも人のいい2人はぽちを手放そうとはしなかったそうじゃ。
そんなある日のこと、おじいさんがぽちを連れて裏の畑の方を散歩していると、突然、
「わんわん!わんわん!」
と、ぽちが鳴きだした。
「どうした~、ぽち。なにがあったんじゃ」
と、おじいさんが呼びかけると、ぽちはまた、
「わんわん!わんわん!」
と、鳴きながら地面を掘り出した。
それを見たおじいさんが
「なんじゃぁ、そこを掘れというのかぁ?」
と言うと、ぽちは嬉しそうに
「わんわん!」
と、しっぽを振りながら鳴いたそうじゃ。
おじいさんは不思議に思いながらも家から鍬を持ってきて、ぽちの掘った場所を掘り返してみると、なんとそこから瓶に入った小判が出てきたそうな。
「こ、こりゃたまげたわい、なんと小判が出てきおった」
慌てて家に持って帰りおばあさんに見せると、おばあさんも
「なんとまぁ、たまげたことじゃ」
と、びっくりした様子。
「これはぽちが恩返しをしてくれたのかもなぁ」
そういっておじいさんは嬉しそうにぽちの頭をなでてやりました。
さて、その一部始終を見ていたものがおりました。
隣に住む強突張りのじいさんです。
「あの犬の言ったとおり掘れば、わしも大金持ちじゃ」
強突張りのじいさんはおじいさんからぽちを借り、嫌がるぽちを連れ裏の畑にいったそうじゃ。
「ほれ、犬。小判はどこじゃ」
しかし、ぽちはうんともすんとも鳴きません。
頭に来た強突張りのじいさんはぽちの首に巻いてある綱をひっぱりました。
すると、ぽちは
「はなさんかじじい
(はなさかじじい)」
と、言ったそうな。
めでたしめでたし。
