シュウは吹っ飛ばされながら思った。にゃ~がこいつら2ひきを蹴散らせて、感激したアーリィア様とラブラブになってハッピーウエディグになるはずだったのににゃ~と。普通の人間なら重症な攻撃を真面に受けたシュウが悔し涙を流しながら飛ばされて行った。

吹きとばさながらシュウが願った。

「神様、仏様、竜神様、だれでもいいにゃ。都市伝説でもなんでもいいから、にゃ~に。にゃ~にアーリィア様をたすける力をくださいにゃ。お礼にマタタビ千個あげるにゃ~」

そのままシュウの意識が途絶えた。



 そしてシュウの目が覚めた時は、あたりがすべて真っ白だった。

無の暗黒と対極するような真っ白な何もない世界……その白い世界に一つだけ色のある点が見えた。



「にゃにゃ」

シュウが目をこすってよく見ようとした時には、その点そのものが自らこちらに徐々に近づいてくるのであった。

その点が形を作り、それが杖をついたアイルーだとうことが分かる。

それもかなり高齢のアイルーだった。

「まさか、あなにゃたは・・・都市伝説」

高齢のアイルーは樹海のように生い茂った白い眉毛を吊り上げシュウを見つめた。

「やっぱお前は変わっているのう。普通に考えたら神様なんじゃないかの。まぁいいさ。人間に恋する時点で変な奴だから……ちょっと興味が湧いての。早速じゃが」

「ほれっ」高齢のアイルーが深紅の刀を投げてよこした。

それは深紅の宝石のような赤い色の下から白銀の色が透き通って見えている。なんとも蛇の鱗にも似た神秘的な輝きに見つめるだけで、メラメラと闘志が燃え上がって来る気がした。

「これをくれるのかにゃにゃ?」

この高齢のアイルーの意図がつかめず困惑する。

「ほっほほ。わしゃ変な奴の数奇な運命を見るのが大好きでな。その刀をマタタビ千個と交換してやろう」

シュウがその刀を引き抜くとまばゆい赫色の強烈な光が包み込んだ。それはあまりの光量のため影も消失するほどだった。

その光が修まったときはシュウの姿が見違えるように変わっていた。

「にゃにゃ!この姿は」

上ずった、悲鳴にも似た声で叫んでいた。

刀の放つ赫色の光に照らし出されたその姿は、人と変わらぬ姿をしていた。

「そうじゃよ。それのほうが彼女に近づきやすいじゃろ。その姿を維持するためのエネルギーはお前の願いのこもったマタタビじゃ。力が弱まったらすぐに食せよ」

シュウがポーチを確認すると持参したマタタビは5つ、かなり心持ない量しかない。

「しっかり自分の運命は自分で変えてみい。さっさと行け」

そういうと杖で尻を殴りつけられた。

その力は尋常ではなく。軽々とシュウをはるか彼方へはじけ飛ばした。

「そうそう、言い忘れておったぞ。約束のマタタビ千個はお前の家からしっかりいただくでな。それじゃ。がんばれよ」

「にゃにゃにゃ!!タダじゃないのにゃ~」

そのままシュウは光の点になって消えいった。


左矢印思い出の太刀その12  思い出の太刀その14 右矢印



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