白銀の大地を黒く悪夢で多い尽くすように、それは空から舞い降りた。しかしそれはあまりの勢いに落下したように見え、まるで空から岩盤が落石したように見えた。そしてティガの強靭なボディーはその衝撃をも吸収して何事もなかったかのように平然としている。



 着地の瞬間に居合わせたアーリィア達はその衝撃で舞い上がった粉雪でカモフラージュされて、うまい具合に姿を隠せた。



千載一遇のチャンス!



アーリィアは弾丸を徹甲榴弾にすばやく切り替えるとポーチから取り出した閃光玉をティガの鼻面に投げつけた。眩い閃光が白銀の世界からさらに色彩を奪い去った。アーリィアは光を直視しないよう視線をそらしながら射程距離に接近する。そしてシュウが劣りになるべくアーリィアの左方向か先制攻撃を加える。その瞬間、ティガは方向転換して無防備なわき腹をされけだし、アーリィアに有利に位置に立たせてしまう。



 刹那の瞬間、ティガの頭が大爆発を起こす。そのまま肩から倒れたティガに容赦なく徹甲榴弾の鉄槌が振り下ろされる。次々打ち出される徹甲榴弾の衝撃に右へ左へと打ちひしがれてまともに起き上がれない。アーリィアは出来るかぎり多くのダメージを与えようとティガの頭に集中していた。ティガの頭が、翼が、体が、見る見るうちに殺傷による赤い痕跡が押されていく。



 アーリィアはここが悪夢の充満する過酷な世界だということを一時忘れていた。

徹甲榴弾を一通り撃ち尽くして、弾丸を切り替えようとした隙を悪夢は見逃さない。

全身を覆う衝撃。

それは天から落ちてきたのだった。落下した黒い塊はアーリィアの肩をかすめただけ。ただそれだけでアーリィアを絶望の淵へと蹴落とした。受身も取れずに雪原になげだされる。意識はあったが全身が痺れて動けない。アーリィアの眼前に怒りに満ちた灼眼が4つある。2頭のティガは無防備のアーリィアを絶命させるべく雪を掻き分け驀進している。驀進の餌食になったのは意識の薄れるアーリィアではなかった。忠義をつくしたシュウが吹雪のなか待っていた。



シュウが間に割り込み1頭の驀進の起動を変える。しかし小型アイルーに大型のティガを2頭止める力はなかった。それでも忠義に答えるため命を張ったのだった。


左矢印思い出の太刀その11   思い出の太刀その13 右矢印


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