その村は山のゆるやかな斜面にわずかにある平地に民家や商店を肩を寄せ合うように建て暮らしている。その近年できたばかりの村はポッケ村と呼ばれた。 村の人口は20人ほどの小さいながらも遠方の町と交易をする活気ある村だった。小さい村には護衛を兼ねて専属のハンターが住む。この村にも専属ハンターがいた。村の外れにある自然と調和のとれたログハウスにその男の家はある。
朝日を浴びながら悠々と朝食をとる中年男性の姿があった。筋骨隆々な体格の男は全身切り傷に覆われ、それはティガレックスを彷彿させた。白い肌と対称的に殺傷痕が赤みを帯びているからだった。男はソウルビーンズスープとパンを口にほお張りながら、時折やってくる野鳥にもパンを分け与えていた。その部屋は窓という窓をすべて開け放ち、すでに家の内外が区別するのが難しく思えた。まさに読んで字のごとく自然との調和をであった。
そんな長閑かな朝食風景に慌ただしさが飛び込んで来た。
「イアン師匠!おはようございます」
騒ぎの原因たる少女は突風のように現れると相手の返答も待たずにテーブルの向かいに座り込んだ。その少女の年頃は十六、七くらいだろうか。まだ所々に幼さも残り、女性と呼ぶにはまだ数年先に思える容姿をしている。この少女もまたこの村のハンターであろう。しかし新人ではないにしろベテランの域には達していないのだろう。テーブルに着席するときに愛用のボウガンを引っ掻けて床に落とし師匠のイアンに苦笑されていた。愛用のボウガンは桃色のババコンガの毛皮に覆われたそのライトボウガン、その名を『アサルトコンガ』という。LV1貫通弾を連射出来る機能を持ち、それでいて剛毛がクッションとなり見た目以上に衝撃を吸収する。駆け出しガンナーが自分の力量不足を攻撃力で補うために持つ者も多い。アーリィアは失敗の照れ隠しにエヘヘと笑いながらボウガンを拾い上げた。
「さて、アーリィア。俺の教えはしっかり頭にたたき込んだな」
その瞬間にヘラヘラとやわらかい雰囲気が消え、覚醒したりっぱなハンターの強い意志のある目にかわった。
「もちろんです。師匠。今回上位ハンター見極め試験を兼ねたティガ討伐に抜かりはありません」
「そうか。ならいい。全力でぶつかってこい」
アーリィアは椅子から勢いよく立ち上がり力強く「任せてください」と胸をはった。
その彼女の背後で椅子が大きな音を立てて倒れた。
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