>>>>>パッチワーク その39


 激しい頭痛で頭が締め付けられているようだ。走馬灯のそうに過去の記憶が次々よみがえり、そして歪み亀裂が入り砕け散った。鋭い破片がバラバラに逃げ出すように落ち、落ちた衝撃でさらにさらに細かく銀の砂塵になった。その砂塵がいつしか天の川のように流れフィルを包み込んだ。最後に意識がすべて白一色に変わり、すべても背景も、自分の姿も、生きるすべての影すらも白銀の世界に飲まれて消えた。


 意識がすべて溶け込んでしまい。どこまでが自分で、どこから他人の意識かもう分からなくなった。ただ漠然とした意識が白銀の中で漂う。何もないが膨大な漂う渦だけは感じる。洪水のように流されるまま漂った。そしてたどり着いた。白銀の世界にあるただ一つの扉。手には白銀の鍵を携えている。フィルはその懐かしささえ覚える扉に、ためらう事なく鍵を差し込んだ。

 木製の古びた扉のように軋んだ悲鳴をあげながら開く。扉の空いた透き間は切り取られた闇のよう漆黒の影に支配されている。その闇に吸い込まれるように扉をくぐる。瞬間、砕けた破片はオセロのように裏返りパズルのように再構築されていった。そのときフィルは真実の記憶を取り戻した。


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