>>>>>パッチワークその33


 オレガは全身からすべての力が流れ出て行くのがわかった。すでに自分を取り込んだ女史の意思は感じられない。崩れ行く己の肉体に鞭を打ってでも、最後にすることがあった。闇夜に属する影のように揺らめきながら立ち上がると瀕死の青年のところへ進んで行った。

 かつて自分の部下であった青年は、料理中の魚のように内蔵が引きずり出されていた。すでに顔色も青白く血の海の中静かに横たわっていた。やっとのところでオレガがそこへ到着すると青年の前で膝を突いていた。先程の乾いた枯れ枝のおれるような音から察するとただ旦に膝の骨がおれただけかもしれない。すでに五感が狂っている彼には自分の体の状態がはっきりとしない。ひとつだけ分かっているのはもうすぐ自分の命が消え行くと言うことだけ。せめてその前に命をひとつだけ救いたい。そのままオレガは隊員に重なるように倒れた。オレガの血が隊員を包むように流れ出す。

「別におまえが死ぬことはないさ。隊長と副隊長の責任だ・・・・・・」

そう呟くとオレガはそれっきり目を綴じてしまう。


左矢印モザイク・ガール三十二話     モザイク・ガール三十四話 右矢印


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