「世の中に 人の来るこそうれしけれ とはいうものの お前ではなし」


小説家 内田百閒の狂歌ですが、思い出すたびにドキッとさせられます。


これは蜀山人の狂歌


「世の中に 人の来るこそうるさけれ とはいうものの お前ではなし」


のパロディですが、私にとっては内田百閒の歌のほうがインパクトが強いです。




二つの句で上の句が全く異なりますが、世の中の通念としてはどちらが一般的なのでしょうか?


結婚後の友人宅を訪問する、仕事で知り合った人に手土産を届けに伺うといったことが最近


ちょくちょくあるのですが、いつも相手にどう思われているかが気になります。


そんな気遣い屋の私は「世の中に 人の来るこそうれしけれ」というものだと思って訪問しています。


「世の中に 人の来るこそうるさけれ」が一般的な通念だと思っていては、重い腰が上がらないからです。


あと「あなたのことを気にかけてあげてますよ」といった偽善というか若干上から目線の気持ちもあります。




そこで下の句です。「とはいうものの お前ではなし」。


いや、そうなんですよ。なんだかんだで来てもらってうれしい人って、その人にとってごく数人だと思うんで


すよ。やっぱ基本は「世の中に 人の来るこそうるさけれ」なんでしょうね。そのことをよく踏まえて上で


訪問したほうがいいですね。