トーキョー・ナイトメア感想 [ブレインDL(ダウンロード)] | *Aquril-Mythra*

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主にTRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)のセッション記録&感想をつらつらと綴る、t*a*r*oの個人的ブログです\(^o^)/
Neuro/CrowD系アクトの感想もこちらに記載したいと思いますのでどうぞよろしくお願いします!(`・ω・´)
[Twitter→@tokitobito]

3月第4週の日曜日は、先日発売されたトーキョー・ナイトメアを遊ばせて頂きました!
シナリオは基本ルールブック1付属の「ブレインDL(ダウンロード)」を使用し、僕がルーラーを担当。

 

「現代の日本」をベースとした近未来のダスクエイジで、トーキョーN◎VAとは一味違った、親しみ深い世界でのムービー・プレイを、ユーモラスにそしてスタイリッシュに楽しませて頂きました!

 

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■セッション情報

・シナリオタイトル:ブレインDL(ダウンロード)
・出典:トーキョー・ナイトメア1 基本ルールブック
・RL:t*a*r*o
・プレイヤー数:3人
・プレイ時間:3.5時間

 

■キャスト紹介
【PC1】
悪漢に追われている少女を保護するカタナ
▽有織はべり(カブト●、カタナ◎、カゲ)[プレイヤー:IBさん]
19歳女性。愛刀「異魔祖狩」を手に、裏の世界で暗躍する生粋の殺し屋。新宿の闇医者“白髭”(公式ゲスト)と同居している。

 

…「ありおりはべり」wwwそして「いまそかり」wwwwww(ネタが分からない人はここを見よう!)

 

IBさんは、セッション開始前に「よし、今日はシリアスっぽく行こう」とおっしゃっていたので、それっぽいキャストを持ってくると思ったらいきなりのボディブローwww


いや、ムーブはきちんとシリアスムーブだったのですが、名前がwwwそして「異魔祖狩」…これはこれでそれっぽいwwwつよそうwwwwww

 

名前はともかくとして、(即席で出した)敵のカタナゲストとのライバルプレイがとても光るプレイングで、トーキョー・ナイトメアにおける「仕事人」を上手く演出されていました!

 

また「強い女傑の爽快さ」の表現が秀逸で、自然とヒロインが彼女を頼る構図を作り出して頂いて大変助かりました。
どうもありがとうございました!

 

データはクイックスタートの「荒事屋」を使用。このデータ、攻撃系統のデータと思いきや、実は攻撃(カタナ)と防御(カブト)のハイブリッド型で、彼女の防御能力が割とパーティの生命線となっていました。

 

【PC2】「家出」したペットロボットを捜索するよう少女に依頼されるフェイト
▽張 工足(ちょう こうそく)(フェイト、カタナ、チャクラ)[プレイヤー:どららーさん]
40歳男性。中華料理店「健勝苑(けんしょうえん)」を経営する料理人。人生相談をはじめとした探偵稼業も行っている。口癖は「(《真実》ボタンを連打することによる)ケガ(腱鞘炎)には気をつけな」

 

…うーん名前w

 

どららーさんも、今日は無難に(きりたんぽとか地球くんとかではなく)フツーのキャストをやろうと思っていたらしいのですが、IBさんの「有織はべり」を受けて、そのヘンのスレッショルドを若干下げた模様w

 

でも、やはりムーブとしてはちゃんとしていましたw
きちんとヒロイン(少女)を大事にしたり、(非常に分かり辛い)《真実》の使いどころをルーラーに合わせて使用して頂いたりと、仕事人プレイが非常に助かりました!
どうもありがとうございました!

 

また、ウィットに富んだ名前だけではなく、「杏仁豆腐を単品で頼むと別室に連れていかれ人生相談(探偵)モードになる」「ラーメ〇マン(悪魔超人)も戦慄する《死の舞踏》の演出(内容は自主規制)」等、ラグタイムなしに即興で出してくる演出が相変わらず秀逸でした!

 

データはクイックスタートの「探索人」を使用。このデータ、「探偵の皮を被った敵ゲスト絶対殺すマン」という純攻撃系の殺意高いデータで、「荒事屋」より火力は全然高いのですが、『①カタナ』に花を持たせるため率先してトループを始末しにかかっていったプレイングが流石…という感じでした!

 

【PC3】ペットを探して家を出た娘の監視を依頼されるニューロ
▽“OSSAN”マックスウェル(
カブキ、カリスマ●、ニューロ◎)[プレイヤー:momo]
30歳前後の男性。超絶イケメェンの外国人。様々な事件に関わり、ネタ映像を配信することでPVを稼ぐヴァーチャルY◎U Tuber(Vtuber)にして凄腕のニューロ。

 

「キャスト①」→「キャスト②」と次々とうち立てられる名前のパンクさを察し、Vtuberという設定を即座に生やした模様w

 

きちんとヒロインのバックグラウンド設定を拾い、彼女を気遣うプレイングが流石momo…!という感じでした!

今回のシナリオはかなり淡白なテイストなので、マックスウェルのこのムーブがなければ、もっともっと味気ないものになっていただろうなぁ…と思います。
どうもありがとうございました!

 

さらには、きちんとトーキョーN◎VAのニューロと、トーキョー・ナイトメアのニューロの表現を演じ分けており、《電脳神》の演出(後述)等、「現代世界における情報通信技術」を上手く駆使したプレイングが大変見事でした!

 

データはmomoの自作。上級ルールブックも駆使して、これまでのトーキョーN◎VAノウハウを最大限に駆使した、割と極まったデータでした…
(サンプルの「電子世界の騎士」の2.5倍は強いのではなかろうか…)

 

■セッション感想
・今回は参加者の全員がトーキョーN◎VAに親しみ深い方々だったのですが、今回は皆さん初のトーキョー・ナイトメアにも関わらず、きちんとN◎VAとはキャスト表現を切り分けていてスゴいなぁ…!と思いました。

 

・特にニューロが所謂トーキョーN◎VAでいう「ニューロキッズ」ではなくVtuberだったり、《電脳神》の演出が「稼いだPVで、ネット上の人力クラウドから回答を持ってくる」だったりと、「ニューロエイジ」ではなくきちんと現代世界の延長線である「ダスクエイジ」で生きているキャストを上手く表現されていました!

 

・これはきちんとマインドセットの切替が上手なプレイヤーさんたちが揃ったということもありますが、やはりシステム面、世界観面でのサポートも大きいと思いました。

 

・特に本シナリオ「ブレインDL(ダウンロード)」自体が「トーキョー・ナイトメアでないと成立しない(トーキョーN◎VAでは、ナイトメアとの文明レベルの差から事件にならない)」ストーリーであったり、我々が生きている日本をベースとしているため「新宿、歌舞伎町の裏通りでチンピラが襲って来る」「中央線沿線の住宅地でエキストラを発見する」等、より現代人の感覚でイメージしやすいよう、ルーラーサイドからもシーン描写を投げやすいのです。

 

また、キャストも「経営している中華料理店は五反田あたり」というように、よりナチュラルに背景情報を設定しやすく、また他のプレイヤーにも共有しやすいので、これは大きいな、と思いました。

 

このへんトーキョーN◎VAだと、プレイヤー間で世界観に関する知識量がバラバラだとそうはいかないので、難しいところではありました。
(ただ、首都圏の地理に馴染みが薄いと上記と同じ現象は起こってしまうと思いますが…そういった意味でも、無理に舞台をトーキョーにする必要はなく、同卓したプレイヤーさんたちが一番馴染みがある場所を舞台にするのが良いのかな、と思いました)

 

・ルール面の整備も秀逸で、組合せのルール(アクション技能という概念を廃止し、組合せられる一般技能は1つだけ)や、セットアップでの行動処理(【CS】に関わらずゲストから)、情報項目の目標値の一本化、「判定を放棄して手札を引く」等、かなり分かりやすくブラッシュアップされており、プレイアビリティが向上していました!

 

・この日は久しぶりにサークル「なめくじたべぞう」のIBさん、どららーさんとご一緒させて頂いたのですが、和気あいあいと遊ばせて頂いて大変楽しかったです!

 

やはり「なめくじたべぞう」の面々らしく、ユーモラスとスタイリッシュのメリハリが効いたワザマエなプレイングで、ちょうど(ストーリーの味付けが薄い)サンプルを楽しんで遊ぶにはまさしくベストなスタイルでした!

 

このシナリオ、全編にわたってシリアスを貫き通しても(ルーラーが味付けしないと)淡白なものになってしまい、また全編スラップスティックに遊んでも、それはそれでトーキョー・ナイトメアらしさが出ないので、今回はまさに丁度良い空気感でした!

 

・ただ、このサンプルシナリオは基本ルールブック1に付属ということで、トーキョー・ナイトメアを遊ぼうという方の多くが通過すると思われる、非常に重要なポジションにあると思うのですが、紙面の関係からか、あるいはトーキョー・ナイトメアさを出すのに手が回らなかったのか、かなり不親切というか、ついネガティブコメントを記載したくなるような構成なので(ネタバレ直球なので、白黒反転して、この記事最下部に記します)、アレンジを加えずにそのまま回す場合、少し注意した方が良いかもしれません。

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そんな訳で久しぶりの面々で、昔よく遊んだ感覚でリラックスして楽しむことが出来ました!

 

また、発売したばかりのトーキョー・ナイトメアのプレイ感を掴み、非常に良いシステムの出来&世界観も入りやすいという知見を得ることが出来、大変実りの多いセッションでした!

 

「なめくじたべぞう」の面々とは最近ではなかなかご同卓できる機会がありませんが、今後も積極的にお付き合い頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!m(_ _)m


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(以下、シナリオに対するネガティブコメント)
※完全にネタバレなので、既にプレイされた方、あるいはこれからルーラー予定の方のみご覧ください。

(僕にしては珍しく)かなり辛辣に書いていますが、一番大事な基本ルールブックに掲載されているサンプルがこれでは…と憤慨してしまったので、思いの丈をそのまま記載させて頂きました。

あくまでも個人の意見としてお流しください。
↓(白字にしていますので、反転させてお読みください)

 

・まず、シナリオの構成としては(サンプルらしく)非常にオーソドックスでシンプルなのですが、にも関わらずプレイヤーが時系列を把握しにくい構成になっているなと感じました。

 

杉山源三はいつから兎塚サダジと交流があったのか?
杉山コヨミの捜索を警察(イヌ)に依頼してはいけない理由は?
オープニングでニューロに連絡してから、どのタイミングで彼はさらわれたのか?

 

上記、シナリオを読み解けば回答は出てくるのですが、まずプレイヤーに伝わりずらく、(ベテランルーラーはともかく)僕のような技量レベルのマスタリングだと、いちいち(テキストに解説されていないため、シナリオを読み解いて)メタ説明を挟まないと難しい局面が多々ありました。

 

・ストーリーラインも味気なく、それでいて事件の背後関係(杉山源三を誘拐したのは兎塚サダジが不老を求め、源三の研究を強制的に続行させるため)が判明するのがほぼクライマックス直前で、それまではプレイヤーが事件の真相を推察できるような背後情報の小出しに乏しいため(情報項目もほとんど人物や組織の説明に終始していて、ルーラーはともかく所見のプレイヤーは推察しずらい)、なんとなく杉山コヨミを狙って来るチンピラを撃退するだけの話なので、キャストのモチベーションがいまいち沸きません。

 

このへん、キャストが「自分たちがどんな事件に巻き込まれているか」を自然と認識し、当事者性を持って動けるためにはルーラーはどのように演出したら良いか、工夫と指南が欲しかったです。

 

ルーラーテキストに大枠のあらすじが載っていて、そこを読めばストーリーのバックグラウンドは把握できるのですが、プレイヤーに渡される情報はアクト中に出てきたもののみなワケで…情報項目やゲストのセリフでここが補完されていないのは致命的でした。

 

・事件の中心となるゲスト、杉山コヨミには「家出をしたのは父親に対する反発が大きい」と、せっかくドラマ要素が設定されているにも関わらず、これに関する演出、シーン描写が皆無で、彼女は「クロを探して」「探してくれてありがとう」「お父さんを助けて」くらいしか言うことがありません。

 

また、エンディング案がいくつか提示されていますが、杉山コヨミ、源三に関してはまったくのスルーで、割とどうでも良い(その後のキャストの日常が描かれる)案が載っているだけに留まっています。

 

せっかくストーリーの中心に据えられており、ドラマ演出の口火を切れる重要なファクターなのに、ほとんど無視とはこれ如何に…

 

もちろん、行間はルーラーが補完せよということなのでしょうが(今回も頑張って補完しましたが)、トーキョーN◎VAのやり方に慣れ親しんでいない人相手にこれを要求するのは、ちょっと酷な気がしました。

 

・しかも、今回はクライマックスまで敵ゲストが顔見せすらせず(ルーラーシーンもない)、キャストがコミュニケーションを取れる相手は依頼人の杉山コヨミと怒兎会のチンピラのみなので、そのままではまったく盛り上がりません。

 

さらには敵ゲストの1人も「用心棒」という神業とデータ合わせのぽっと出なので、まるでコンピュータRPGをやっている気分にすらなってしまいます。

 

これは流石にちょっと、ということで今回はこの「用心棒」を「兎塚キヨシ」というネームド・ゲスト(兎塚サダジの息子)に変更し、チンピラが襲撃するシーン(オープニングから)、及び中間戦闘に登場させ、キャストに対して積極的にコミュニケーションを取ることにしました。

(情報項目も用意し、兎塚キヨシは父親の跡目を継ごうと躍起になっている、頭は悪いが武闘派のヤクザ、という設定を付与)

 

これは結果的に良い試みだったようで、キヨシと『①カタナ』有織との掛け合いも盛り上がり、アクトもかなり暖まりました。

 

・一番不満に思ってしまったのが、フェイトの神業《真実》の使いどころです。


このシナリオではフェイトが《真実》を中間戦闘で撃退したチンピラに撃つことで、ラスボスのアドレスが判明します。

 

………。

 

そりゃあ倒したチンピラを脅して居場所を吐かせるのは常套手段ですが、フツーはロール演出や〈圧力〉の技能判定くらいにしませんか?

 

神業はいわばキャストの見せ場、つまり「カッコつける」ところです。
これはトーキョーN◎VAに慣れてしまった弊害かもしれませんが、たいした情報も握ってなさそうな名もないチンピラ(しかも何かを隠しているという前振りすらない)に、神業を撃とうとは考えないし、撃ったところで、プレイヤーのカタルシスは得られないと思います。

 

しかも、メタ的にここで《真実》を撃つシーンだと伝えても、キャストは何を聞いて良いか分からない可能性が大です。

(特に今回は、兎塚サダジに関する(杉山源三がサダジにさらわれたという)情報項目を開ける前にこのイベントが起きたので、なおさらプレイヤーは困惑状態でした)

 

シナリオに書いてあるセリフ「おとーさんに、会いたいでしょ?」の一文から(演出次第では、ルーラーはこのセリフ言わない可能性もある)
「ここは《真実》を撃つシーンだ」とピピっとくるプレイヤーさんは、十中八九手馴れたN◎VA者でしょう。


トーキョー・ナイトメアから入ってくるプレイヤーを対象にしたギミックとは到底思えません。

 

ルーラーもうっかりここが神業想定シーンということを忘れるところでした。

 

今回はここで「ここ《真実》を撃つシーンみたいですw」とぶっちゃけて、
兎塚キヨシに「て、テメエ! オレがオヤジの居場所をしゃべると思うかよ!」「オヤジが何を考えてるかなんて、オレはしゃべらないぜ!」とそれっぽいロールをし、《真実》で聞くべき情報項目を全部キヨシに喋らせたので(そしてプレイヤーさんも協力的だったので)事なきを得ましたが…

 

(手馴れたルーラーであれば、ここで神業を使わせず、さくっとラスボスのアドレスを渡し、ラスボスを対象に《真実》を使わせる、等のアレンジを加えることもできると思いますが…これ、基本ルールブックのサンプルシナリオなので、ルーラーのそういったアレンジをアテにしてはいけないと思います)

 

・他にも戦闘バランスや、突っ込みたい点は多々あったのですが、気づけばテキスト量が本編の感想より長くなりかけているので、このヘンで止めておきます。

 

・紙面の関係が大きいのかもしれませんが、一番最初の付属サンプルシナリオだからこそ、ここは丁寧に、ハイクォリティなものに仕上げて欲しかったです。
(というか、冒頭のリプレイで使用したシナリオをそのまま載せてしまえばよかったのでは…)


正直トーキョー・ナイトメアから始めようという人には、このサンプルシナリオはそのまま使うのはオススメできないなぁ…と思いました。

(ネタバレ&ネガティブコメントここまで)
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と、かなりこき下ろしてしまい、本シナリオを執筆された方には本当に、大変失礼致しました(さらに僕の知り合いの方だったりしたら、なお気まずい…)が、トーキョー・ナイトメアというシステムがかなり良く出来ていて、このシナリオの雰囲気自体は大変良かっただけに、敢えて率直に思ったところを書かせて頂きました。

 

今後も、トーキョー・ナイトメアの展開を楽しみにしています!
上級の付属シナリオもぜひ遊んでみたい!