私はライブやコンサートでのプログラムに、Jポップを組み込むことがよくあります。
島唄、ハナミズキ、秋桜、拝啓十五の君へやいきものがかりのありがとう、などなど。季節感があるものや歌詞に自分の気持ちをリンクさせてメッセージを伝えたい場などで演奏します。
そして、この時期になると必ず弾いているのはコブクロの「蕾」。
とても思い入れのある曲です。
涙こぼしても汗にまみれた笑顔の中じゃ
誰も気づいてはくれない
だから僕はあなたの涙を知らない
これは小渕さんが亡くなったお母さまを思って作られたとのこと。
うちの母は健在ですが私はこの出だしの部分だけでなんだか胸がいっぱいになります。
私も母の涙は知らない、じーちゃんのお葬式以外では殆どみたことない。
演奏する度にこの歌詞にあるような、強く、優しく、明るい母親。そんな理想に近づきたいといつも思う。
そのためには、自分の弱~い部分や暗~い部分も知って、そこも受け入れて自分を好きになることが大事だなぁと思う。
その上で、子供には光だけをあて続けたいなぁ。そんなことを思う曲です。
この曲が特別なもう一つの理由。
もう何年前からになるか、毎年同じ時期に演奏をご依頼下さる方がいます。
それは病気で亡くなられたお嬢様の命日に合わせて、親しかった方々と思い出を共有しながら過ごす空間での演奏。
この娘さんは私と同い年。誕生日もとても近いです。お写真で拝見するとそれはそれは美しく、さらに可愛いさも兼ね備え、まわりを笑顔でいっぱいにできる人だったんだろうなぁというのが想像できるような方です。
一度もお会いしたことがないのに、これからもそれは叶わないのに私は彼女に会いたいな、といつも思ってしまいます。
その娘さんが病室でいつも聴いていたのが、大好きだったというコブクロの蕾。
この会では必ず演奏させて頂いていますし、それ以外の場所で弾くときもいつも彼女のことを思いながら弾いています。
私はこちらのお母さまはじめ、ご家族のことが大好きです。その大好きな方たちが愛して愛してやまなかった娘さんが生きていた証は数知れず。
その中のほんの1パーツ、大好きだった曲を演奏するということが彼女やご家族のために私ができるたったひとつのことなのです。。
蕾、色々な場所でお届けします!