好きだった先生 ブログネタ:好きだった先生 参加中
好きだった先生といって、真っ先に思いつくのが、高校時代の物理の先生でした。

物理の授業のとき、教科書に書いてある物理的な方程式をただ覚えなさいと言うだけでなく、その式の成り立ちを教えてくれる授業が一番好きでした。

当時まだ高校2年生で、数学の時間でも微分や積分の勉強が始まってなかった時期だったのに、それにかまわず三年生の数学で習うような微分・積分の手法を用いて解説をしていたので、私もみんなもチンプンカンプンでした。

仕方がないので、そのときは必死になってメモって、証明の仕方はテストには出ないそうなので、とりあえず公式とその使い方だけ覚えました。

三年生になってから理系進学用の微積分を勉強したときに、それまで知らなかった微積分の公式を勉強したので、それを当てはめたところ、それまでわからなかった物理の公式の導き方がわかるようになりました。

私はここで初めて数学が役に立つことを知り、数学の勉強にさらに興味を持つようになりました。

ほかにも、力学の説明に野球の球の動きを例にとって、運動量の変換の話にバットでボールを打つことを例にとったり、弾道の法則の話に打球の軌跡の話を例に取ったり、回転力学の話にバットの回転の話を例にとったりするなど、可能な限り親しみやすく説明していました。
どんな人の活動においても、物理の考え方は常に絡んでいると言うことを教えてくれました。
私はその先生の授業から、「物理を知らなければ、どんな分野で活躍にしても一流になれない。」と言うことを学びました。

その先生は生徒指導の先生とかで、普段から生徒に対して厳しい事を言っていたので、あまり人気はありませんでした。ただ、当時私は成績だけはよかったので(優等生ではないと思います)、先生は私には比較的柔和な姿勢でいてくれたと思います。
当時の物理研究室には、当時としては珍しいパーソナルコンピューターが置いてあったのですが、それに触らせてくれるようにしてくれたのもその先生でした。
ちなみに、それは昼休みだったのですが、そのときに最大限触れるように、その前の休み時間に早弁したのもその頃でした。一緒に早弁していた同窓生は、まじめで通っていた私がそんなことをしていたので驚いていました。
さて、そのコンピューターでプログラムしたので覚えているのは、円周率を擬似的に求めるものでした。正方形に1/4半径が当てはまるように描いて、四角形の中にランダムに矢を当てて、すべての矢の本数のうち、円の中に入った矢の本数との比から面積比を擬似的に求めて、S(正方形):S(円)=r^2:πr^2 / 4 = 1:π/4 = 4:πなので、π=S(円)×4/S(正方形)と言う式に当てはめて求めます。

余計わかりにくいかもしれませんが、説明図です。
青い点が「矢」です。
計算中に、ランダムに当てる様子をグラフィックで描くようにしたのですが、先生が「何やっているんだろう?」みたいな目で覗き込んでいました。


さて、卒業式が終わって最後のとき、私はその先生の研究室を訪れて、これまでのお礼と、先ほど述べた授業の感想を、もう少し短い言葉で述べました。先生がなんとコメントしたか忘れましたが、隠れて目をぬぐっていたことだけは鮮明に覚えています。


ともすれば憎まれ役だったその先生でしたが、私は好きでした。特別派手な演出をしたわけではありませんでしたが、そんなストレートなアプローチで私に勉強の楽しさを教えてくれた、本当に優秀な先生でした。