マスネのウェルテル第3幕 | アルページュの日記

マスネのウェルテル第3幕

(3幕)
クリスマスイヴの夕刻。シャルロットは居間で一人物想いにふけっています。
彼女の心はウェルテルが占め、彼からの手紙を何度も読み返します。

「冬の灰色の空の下、私は独りだ。幸福だった頃を思い出す。君の可愛い子供達はもう僕のことを忘れてしまっただろうか?君はクリスマスに、と言ったが、もしその日に僕が現れなかったとしても責めないでくれ、どうか僕を憐れんでほしい・・」

ソフィーがやってきて、暗い様子の姉を心配し、クリスマスのディナーに誘います。
姉の心に気付いているソフィーの優しさに、思わず抱きしめます。

「神様、今まであなたの教えに従い義務を果たそうとしてきたけれど、もう勇気がなくなってしまいそうです。心がどんなに傷つき壊れそうか・・・どうかお支えください!神様!」

その時ウェルテルが現れます。
「ああ!ウェルテル!」
「もう戻るまいとずっと思っていたが、来てしまった・・」
「どうしてそんなことを言うの。みんな待っていたわ、父も、子供達も」
「君は?」

「・・・見て、この家は何も変わっていないでしょう」
「本当だ、何も変わっていない。心だけが変わってしまった。ここで一緒に本を読み、一緒に歌ったのに・・」
ウェルテルはクラヴサンの上にあった原稿を手にします。彼がオシアンの詩を翻訳したものでした。
「春風よ、なぜ僕を目醒めさせたのか・・・(オシアンの詩の詠唱)」

彼の歌に思わず震え涙を溜めるシャルロットを見て、ウェルテルは気持ちを抑えれらなくなります。
「いつまで心を偽るんだ、二人で勝利を勝ち取ろう、心を震わせる不滅の愛を!ああ、初めてのベゼ(キス)を、夢に見たベゼを!君は僕を愛している!僕を愛している!もう苦しみたくない。愛だけが真実。ジュテーム!」

ウェルテルの激しい求愛にあがらえなくなったシャルロットは、ついに彼の腕に身を委ねますが、その瞬間
「ああ、あなたは私の魂を絶望させた!もう会えないわ、さようなら!」と走り去ります。

その言葉に打ちのめされたウェルテルは死を決意して去ります。
アルベールが帰ってきて、気配を感じ、シャルロットを問い詰めますが、取り乱して答えられません。そこに召使がウェルテルからの手紙を持って来ます。
「僕は長い旅に出ます。あなたの家の拳銃を貸して頂けますか・・・お二人に神のご加護がありますように」
恐怖に震えるシャルロットに、アルベールは拳銃を渡すように命じます。

一人になったシャルロットは「神様、どうか間に合いますように!」と走って出て行きます。