マスネのウェルテル第1幕
あらすじ(ウェルテル)
(1幕)
まだ7月だというのに、大法官の庭では彼の小さな子供達がノエル(クリスマス)の歌の練習をしています。乱暴な歌い方に「ノン、ノン!シャルロット姉さんにそんな風に教わったのかい?」と言われると、子供達は急に奇麗な声になり、大法官は「そうそう」とご満悦。
そこへ彼の友人たちが来て、「今夜の舞踏会はシャルロットは誰と行くのかい」「ウェルテルは知的で上品だが、ちと暗いな・・」などと噂話をし、後で飲みに行く約束をして帰っていきます。
家の門にウェルテルが到着します。
大法官の家の、自然に囲まれた涼やかな美しさに感激してO nature, pleine de graceと讃える歌を歌います。
歌の練習を続けていた子供達は、シャルロットが来ると「シャルロット!シャルロット!」と喜んでまとわりつき甘えます。シャルロットがパンを切り分けて配ると、口々に「メルシー、姉さん」と可愛く応えるのを、ウェルテルは夢のように恍惚として眺めます。シャルロットの清廉な美しさに一目で心奪われるウェルテル。
ウェルテルに気付いたシャルロットは、「すみません、お待たせして、私が子供達の母代りに世話をしてるもので・・」と楚々として言い、妹のソフィーに小さい子たちの世話を頼んでウェルテルと二人で舞踏会に出かけてゆきます。
大法官も友人との約束の酒場に出掛け、暗くなった後にアルベールがやってきます。シャルロットの婚約者の彼は、半年ぶりに仕事の旅から帰ってきたのです。
ソフィーは「まあ、どうして知らせてくれなかったの、シャルロットは今日に限っていないのよ、でもお兄様が帰ったのを知ったら喜ぶわ!」と言い、アルベールも愛するフィアンセに思いをはせます。
夜が更け、シャルロットとウェルテルが舞踏会から帰ってきます。
「もうお別れしませんと。家に着きましたから・・」というシャルロットに、ウェルテルは「ああ、僕は永遠にあなたの優しい瞳を見ていたい。それが僕の希望、喜びだ・・」と熱く語り始めます。
「・・・でも、あなたは私のことを何も知らないわ」と微笑んで遮るシャルロットに、
「いや、僕はあなたの魂を感じることができる。この世で一番美しい、素晴らしい人だ」と譲らないウェルテル。
亡くなった母のこと、幼い弟妹への思いを語るシャルロットに、ウェルテルはますます感動し、 「夢のようだ、なんという至福!僕が命にかけて君を守ろう、ああシャルロット愛している!」と一気に迫ります。
しかしその時、家から「シャルロット!アルベールが帰ってきたぞ!」という大法官の声がします。我に帰るシャルロット、婚約者の存在を知って絶望するウェルテル。