オペラ ブログ 3 | アルページュの日記

オペラ ブログ 3

アンデルセン童話から着想を得て、

ヘンリク・ヘルツが戯曲にしたものを

チャイコフスキーは

オペラにしたのだが


この「内部感覚としての知覚」

というものに関して、

チャイコフスキーも

かなり意識的な人だったのではないかと思う。


外界と内面世界とを分け隔てる被膜が

とても薄く、

それゆえに他人の見えぬものを見、

聴けぬものを聴いた。


53歳で亡くなってしまったのも、

そんな生まれつきの繊細さに

耐えられなかったからなのだろう。

その「内部感覚としての知覚」

ということを、

後半のバルトーク

「青ひげ公の城」でも感じた。


トレリンスキの演出は、

バルトークで

より心理的にホラー的になり、

たった二人の歌手しか出てこない

この作品を、


凄まじくシアトリカルな

スペクタクルに仕上げていた。


映像や効果音、

ナレーションまで加わって、

ゲルギエフが

インタビューでの言葉通り


演出のために

多くの譲歩をしたことが分かる。

そのリスクを選択したことは

正しかった。


オプティックなものと想像力を、

すごいアイデアで繋げている。


理想の演出家とは、

「目に見えるものは

見えないものであり、

目に見えないものは

見えるものである」


という真実を舞台で表せる人だ、

と普段から思っていたが、

この人は驚くほど鮮やかだ。


青ひげ公が鍵を渡し、

ユーディットが

目撃することなる7つの部屋とは

人間の内面がもつ

ネガティヴィティと、

ポジティヴィティを

視覚化した世界なのだ。